最近タカミザワがエロ神では無く❝メシ神❞と呼ばれてるらしいよ?
こちらが望んだだけで望んだ対象が死を迎える、神ともなれば❝即死呪殺❞なんて物騒にして卑劣な技も使える様に成るから有効利用してたので・・・この世界で殺した数だけならボクが最高なんじゃ無いだろうか?
「クックックッ・・・我に奪われたる数多の命、その一部と数えられ滅びるが良い・・・・・」
そうボクが言うと部屋の中に居た万単位いや億単位、ひょっとしたら兆単位の生命が失われて行く!
しかしボクの大いなる野望の為、尊い犠牲だと思って諦めて貰おう!
「ってカッコ付けなくても、室内を消毒してるだけの事ですよね?」
「嘘は吐いて無い、かなりの数の細菌を殺してるんだから♪」
そうボクは今、酒蔵の中の不要な菌を抹殺した!
これで発酵に必要な菌のみ生き残り、腐敗させたり悪臭を発生させる菌は居無く成ったのだ!
「こんな事に呪殺魔法を使うだ何てマイト様じゃ無きゃ考え付きませんよね?」
「そんな事は無いと思うんだけどな・・・次は醤油蔵だね?」
するとスケルトンのスケさんは、ボードに留めた計画書を見て・・・いやオマエさ、目ん玉無いのに如何やって見てるんだ?
「そうですね・・・醤油蔵が1号から3号まで、4号はマダ仕込んでませんから仕込む直前で良いでしょう。その次が味噌蔵が5号まで・・・・・」
「この計画は必ずや成功させねば成らない・・・失敗は許されん!」
既に広めているラーメンなどの安定供給の為、この醸造蔵を安定稼働させなくては成らない!
「いや調味料造るのに、そんな凄まれたって・・・・・」
こいつボクの従魔にしては主に対する態度がデカいな?
「もし失敗したら、そうだな畑のカルシウム分が足りない様だし・・・・・」
「私、肥料にされちゃうんですかっ!味噌や醤油が供給出来なかったペナルティーで肥料にされちゃうんですか?」
いや冗談だよw
だけどオマエ骨しか無いのに何で涙を流せるんだ?
「このスープは?」
「豆腐とワカメの味噌汁だ」
豆腐が有るんだから油揚げは完成してるし、他にもネギややダイコンそれにナメコの栽培は開発済み・・・そして今日の朝食はアジの様な魚の干物と卵焼きそれに味噌汁に香の物である。
「これぞ日本の朝食だ・・・・・」
「何かホッとする味ですね?」
リディアも気に入ってくれたらしい。
「しかし・・・味は問題無いけど、このサイズは何とか成らんかな?」
この世界でも昆布は発見した・・・鰹節を造ろうと思ったけどカツオが見付から無いのでマグロの様な魚で代用し、イワシの幼魚を見付けて煮干しも完成させたのだ!
しかし・・・この世界のイワシは幼魚でも馬鹿デカく、煮干しのサイズが30cm以上あるのだ!
「来月には干しシイタケも完成しますね・・・ところで肉厚の良いシイタケが有りますので、炭火焼きにして醤油を垂らして持って来ましょうか?」
「気が利くな♪2枚で片方は塩にしてくれ」
スケさんを労い箸を進める。
「マイト様が来てから食卓が華やかに、その前は砂糖や塩でさえ高価だったのに・・・・・」
「味醂も完成しましたし、日本酒も目処が立ってますよ♪」
普通に庶民が食えない様じゃ金持ちの玩具に過ぎないからね・・・大規模な引き入れ式塩田を建設し、その土地に応じて椰子やサトウカエデに甜菜・サトウキビ畑を広げ砂糖の大量量産は達成済みだ!
国民の十分行き渡らせた上に余剰はアルコール醸造や様々な利用法を考えている。
その翌日・・・
「大変ですっ!」
配下が執務室に駆け込んで来た!
「リディア様が酒蔵を見学中、酒の気に当てられて酔い樽の中に転落を・・・・・」
冗談じゃ無い!
死んでも可笑しく無いし、実際に地球でも杜氏や醸造職人が樽に落ちて死んだ事故は起きてる!
微生物が発酵させてる樽の中は二酸化炭素が充満中で常に酸欠状態、落ちたら急性アル中と窒息のダブルパンチなのだ!
幸いリディアは無事救助され、後遺症も無く被害は酒樽一つをダメにしただけだった。
当然リディアには❝ガチお尻叩きの刑❞を宣告して置いたのだが、今回に限ってオシオキの執行は免除した・・・お仕置きする迄も無くリディアが盛大な宿酔いに苦しんだから罰は受けてる様なモノだ♪
まあ確かに日本酒を醸造する樽は上が開いてて危ないかも知れない・・・ところで「宿酔い」も「二日酔い」も「ふつかよい」と読み、二日酔いの方が当て字で本来は宿酔いの方が正しいそうだ(今ではドチラも普通に使える)
そもそも「ふつかよい」とはアルコールが体内に残留し、肝臓だったっけ?そこで分解し切れなくて苦しむ症状・・・二日で済むとは限らない。
現にリディアの宿酔いは三日目に突入した!
「マ・・・マイト様、頭が痛いです。それに気持ちが悪い・・・・・」
書類に眼を通すボクの膝枕で横に成りながらリディアが呟く。
「ボクの膝の上で吐いたら最っ高にハードな❝手加減無しオシリぺんぺん❞だからな!その時は王宮前広場で公開処刑だ!」
「マイト様の意地悪・・・・・」
何を言ってる・・・本来なら既に何度かオシオキしてる筈、コイツ気が付いて無いけど吐いた事は無くともボクの膝枕で寝ながら涎垂らした事有るんだよ何度も!
「大変ですマイト様っ!」
執務室に飛び込んで来たのは大臣の一人・・・まあリディアを女王に戻し執務は執ってるけど、実質的な王はボクだし政治については可成り口を挟んでいる。
「何だ騒々しい?」
「こんな物が市中に・・・・・」
どう見ても酒瓶だがラベルには如何見ても貴人にしか見得ない少女、それが樽に転落する絵が描かれているのだが・・・うん如何見ても描かれてるのはリディアで、ラベルには日本語に訳すと「姫落酒」と成る様に酒の名前が書かれている!
「これってまさか?」
「調べた所リディア様の転落した樽の酒を・・・あれは醸造し終わってたので、雑菌を消毒してリディア様を漬け込んだ酒として販売した愚か者が・・・・・」
「何ですってっ!あぁ・・・・・・・」
宿酔い三日目なのに、いったん飛び起きたリディアだったが再びボクの膝の上に崩れ落ちる・・・合唱♪
「販売した、いや販売に関わったのは?」
「酒蔵の職人が数名・・・冗談で始めたらしいのですが・・・・・」
呆れて溜息が出るボクと、怒ってるけど怒鳴れずに藻掻くリディアだった。
「廃棄予定だったから窃盗罪は課さなくても良い、しかし女王不敬罪と食品衛生法違反で裁いて置け・・・職を奪うまでは無いが二度とせん様に少々キツく絞めて置く事!いや人が中に転落した物を食品として販売するとは衛生管理を甘く見ている・・・少々では無く多少キツ目に絞めとくんだ!」
「畏まりました・・・ところで酒の販売代金は?」
「不正蓄財だ、当然召し上げろ!」
「良かった・・・既に召し上げて来たのです」
大臣が自分のストレージから・・・貨幣が詰まってるらしい大袋を、ドスンドスンとボクの執務机に積み上げて山を作った!
「オマエ・・・不正利益や罰金を銅貨で徴収したのか?」
「いえ全て金貨です」
ボクは一呼吸置いて・・・・・
「あの樽一つ売った所で、こんなに高値に成る筈無いだろ?他の酒も盗んで販売してたのか?」
「いえリディア様が落ちた樽だけです」
確かに樽一つの酒が売れれば金貨の袋一つくらいには成るけど?
魔法がある所為で採掘や精錬が簡単に成り金が比較的安価になり、そしてこの世界の酒樽は馬鹿みたいに大きいからね・・・日本に居た時ネットで杜氏の酒樽を見た事合ったけど直径がアレの2倍以上ある。
それでも価格が暴騰しすぎだ!
「いや可笑しいだろう?」
「可笑しく無いですよ」
大臣が溜息を吐きながら、
「姫様を漬け込んだ酒としてプレミアムが付いてるんです!普通の酒の24倍から27倍の高値で取引されてまして・・・・・・」
「いやぁぁぁ~~~~~っ!」
リディアが悲鳴を上げて恥ずか死ぬ・・・リディアが落ちた酒を横流しした職人達と販売した店主は、王宮前広場で日の出から日没するまで三日間も正座する刑に処せられた!
ちなみに処したのはボクじゃ無くリディアだ・・・・・