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k-74

 翌朝。目が覚めて、今日はひたすら鍛冶作業をしようと決める。


 今日何をするかは、今日決める。俺は、そんな生活に憧れ、北海道の自然豊かな農村に引きこもった。多分、今の生活はそれが出来ていると思っている。


 北海道にモンスターはいなかったけど。そういえば、『ヒグマ』というモンスターのような生物はいた。おそらく今の俺なら、ガチンコでヒグマと勝負しても勝てるような気がする。


 毒矢とか使えるしな。


 そんなどうでも良いことを考えながら、毎朝の日課をこなす。鍛錬で汗をかいた俺は、タオルを水で濡らし、体をふく。



 軽く朝食をとり、マーブル草のハーブティを入れて少し休憩する。ふー。


 昨日狩った牛の骨を乾燥させたものをアッシュにあげたら、よろこんでカジカジしていたよ。



 10:00

 さて、鍛冶小屋の炉に火を入れるか。石炭をくべて、炉の温度を上げる。


 マルゴから卸してもらっている石炭は、意外に品質が良い。



 農村に引きこもる前まで俺は、日本最大手の財閥系商社、四菱丸忠物産の商社マンとして世界各地を飛び回っていた。


 仕事では、スイスの資源最大手グ○ンコア社、中国系石炭大手ヤ○コール社と資本提携し、オーストラリア・ハンターバレーの高品位炭を石炭火力発電所や大手製鉄会社に卸したりしていた。


 インドネシアの炭鉱でもバリト川を経由するロジスティクスの開発に携わり、発熱性は高いが良質な一般炭を電力会社に卸す仕事もしていた。


 ということもあり、実は石炭の品位には少々うるさかったりする。


 目の前の石炭は良質の粘結炭だ。製鉄に向いている。さすがはマルゴだ。


 棚に劣鉄や銑鉄のインゴットその他の素材が積みあがっているのを見ながら、何を作ろうかなと腕を組んで考える。


 ヘルハウンドの火袋があるから、猛炎の粉で火属性を足装備に付与して、ヘルファイア足刀蹴り! とかどうかな。いや、却下だ。そんな装備で森に入ったら、下手すると森林火災になっちまう。


 うーん……。


 結局俺は、銑鉄のインゴットを加工し矢を作成。猛炎の粉で火属性を付与することにした。



【ヘルファイアアロー:中程度の威力の火属性の矢】



 鉄の部分がメラメラと燃えているので、矢筒を加工して水属性を付与。水をはった状態の矢筒にヘルファイアアローを突っ込んでいった。一応これで、火事の心配はなさそうだ。



 13:00

 ヘルファイアアローの作成が一段落したところで、腹がなった。


 飯にしよう。昨日のあまりのバトルブルの肉でステーキを作り、ミランの果実酒をチビチビやる。 



 14:30

 さて、次は何を作るかね。うーん。


 俺は劣鉄のインゴットで桶の底に合わせた大きさの板を作り、マーマンの鱗で水属性を付与してみた。



【ウォーターボード:水属性の板。劣鉄製。水が湧き出る】



 何もダガーである必要はなかったというね。


 目立ちたくないので商品化するつもりはないが、桶の底に設置して、水場として利用することにした。


 ただまあ水が貯まるスピードからして、お風呂の水汲みはしないと厳しそうではある。



 18:00

 一通りの桶に設置できるだけのウォーターボードはできた。


 マーマンの鱗とフェムト石の在庫が無くなったので、仕入れてこないとな。さて、飯にするか。


 晩飯は、昨日解体し塩もみして洗っておいたバトルブルのモツで、モツ煮込みを作った。果実酒とハーブを味付けに使ってみた。昨日の残り湯にも薪に火をつけ追い炊きした。



 19:30

 そんな感じで作業していると丁度マルゴがやってきた。鼻の利く奴だ。


 俺たちはザプンとやったあと、焚き火でグツグツいっているモツ煮込みの鍋を、切り株椅子に座って囲みながら一杯やる。


 うん。昨日のレバ刺しも良いが、モツもやっぱり最高だな。マルゴは目をクワッと見開き、なんか言っていた。


 俺は気にせず、手を振ってもっと食えとジェスチャーしておく。



 薄く淡く輝く、蒼い満月が綺麗な夜だった。

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