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k-6

 たどり着いた先は、ドラゴンが火を吹いている紋章が目印の建物だった。


 サラサは掲示板に張ってある張り紙をペリっとはがし、俺がもっているバドル毒草を一株もって、窓口の男性と何やら話をしはじめた。


 ちなみに、俺には何を言っているのか、さっぱりわからない。


 しかし、その張り紙には、俺がパドル毒草を鑑定したときに併記された、この世界の文字がしっかりと書いてあった。


 推測するに、この場所は冒険者ギルドのようなものなのだろうか。


 待合場所のようなものがあり、武器防具を装備した屈強な戦士風の人々が、こちらを興味なさげに眺めていた。


 そして、あの張り紙は依頼というわけか。


 サラサは、受付の男性と話がついたのか、俺にこっちへ来いのジェスチャーをし、紙を指差し、物を書くジェスチャーをした。


 その際、はっきりと、「ケイゴオクダ」と口にした。


 記名しろということなのだろうな。契約書か何かだろう。


 俺は、すっかりサラサを信用するようになっていた。わざわざ手を引いてここまで連れて来て、俺に不利益なことをするわけがないと思っている。


 どちらにせよ、言葉のわからない俺には、一人で生きる手段なんてないのだから。


 俺は、快くサインをすることにした。『ケイゴオクダ』とこの世界の文字で記入した。


 ちなみにその文字は、自分自身を鑑定した際に出た文字である。どこかアラビア文字っぽい趣のある文字で、模写するのに結構苦労した。


 それが終わると、窓口の男が奥へ引っ込み、何かサッカーボールサイズの水晶のような球体がついた道具をもってきた。


 それに手をかざすジェスチャーを、男からされる。


 俺は水晶のような球体に手をかざすと、下にあったカードに俺の顔写真が記載された身分証のようなものが出来上がった。


 カードを鑑定してみると、名前やステータスのほかに冒険者ギルドカードクラスなるものがあり、そこには劣鉄インフェリアーアイアンクラスと書かれていた。


 クラスというからには駆け出し冒険者クラスといったところだろうか。やっぱりここは冒険者ギルドだったようだ。



 受付の男は何かわからない言葉とともに、ゆびをくるくるさせた。


 それは、おそらくまた何か手に入ったらもって来いのジェスチャーであると理解する。


 そして、バドル毒草一株については銅貨三枚で引き取ってもらえた。


 俺は、アリガトウの言葉をまだ覚えていないので、90度ぐらいの深いおじぎをした。


 その際に俺は、日本語で「ありがとう」と言った。


 男とサラサは笑顔になったので、おそらくこちらの意図は伝わったと思う。


 そして、用は済んだとばかりに、サラサは手をヒラヒラさせて、その場を去って行った。


 俺は、冒険者ギルドらしき場所を出る前に、掲示板の依頼を見て、文字をマジックボードに小さく書き写すことにした。


 ちなみにスライムという単語があったので、それをペリっとはがし、再度受け付けの男に持っていった。


 念のため、ペットボトル容器にスライムを倒した際に採取した粘液と、魔核という黒い石ころをもってきていた。


 スライム討伐の依頼達成だったようで、粘液と銅貨一枚を交換してくれた。魔核の方はどうやら依頼達成条件ではなかったようだ。



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