k-510
閃光弾の色は青と紫の二つであり、それは良い知らせと悪い知らせを意味していた。
良い知らせの青はパニックヒュドラワームの首の切り込みが半分以上進み、あと少しであるということ。
逆に悪い知らせの紫は、もう門がもちそうにないということを意味していた。
メンバーも流石に緊急信号の意味は覚えており、俺が何も言わなくても火事場のくそ力を出しスピードアップを始めた。
俺も背中に残っていたパニックワームを地上に叩き落すと、少し離れた場所から7本の浮遊剣を2~8番首に一本ずつ飛ばして加勢することにした。そして、
「ターニャこっちに来い! ここから攻撃をするから射線空けろー!!」
ターニャを俺の位置まで下がらせると、竜気法を使った状態で飛竜剣を全首に連射してもらい、ダメ押しの攻撃を加える。
怒涛の斬撃ラッシュが9本の首に降り注ぐ。他のメンバーもここぞとばかりに攻撃を加える。
もだえ苦しむパニックヒュドラワーム。俺たちに攻撃をしかけようとするが、シルベストさんたち怪獣チームがこれを阻止。
体液から生まれ出始めるパニックワームには脇目もふらず、一心不乱に首への攻撃を繰り返す。
どれだけの時間が経ったかわからなくなってきたその時、ようやく5番首の断ち切りに成功。巨大な首が地面に落ちたが、断面がボコボコと動き再生を始める。しかし間髪入れず他の首の切り落としも成功。断面の再生が止まった。
勝利を確信した瞬間だった。だが、勝利に酔いしれている暇はなかった。
全ての首を失い立っていられなくなったパニックヒュドラワームは崩れ落ち、俺たちは空中に投げ出されてしまったのだ。
そんな俺たちをシルベストさん、アッシュ、ビードラ、そして飛行魔法を使えるターニャが空中でキャッチ。地面への激突は免れた。
シルベストさんの背中の上から街の方を見てみると、どういうわけかパニックワームの大群が、大量の血溜まりだけを残して綺麗さっぱり消え去っていた。
パニックワームに食われる覚悟をせざるを得なかった兵士たちが、敵が忽然と消えたことに呆然としていた。
兜がずり落ち、口を開けたまま固まっている兵士たちの姿が印象的だった。




