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魔力を帯びさせることでで溶けにくい氷を作ることができるそうで、精霊樹から湧き出る魔力を含んだ水は最適だった。
大容量の魔力を誇るが、細かく操る技術がまだまだなターニャはホワイトさんに教わりつつ氷の棺を作っていった。
そこにジョニーの子分たちに手伝ってもらい、遺体と魔核を収め、さらに隙間無く精霊樹の水で満たした上で凍らせた。
当初は落ち込んでいたターニャやジョニーの子分たちも、生き返らせる方法があるかもと知り、少しは前向きになれているようだった。
出来上がった氷の棺は、船旅で壊れないようビードラのテイムホテルに収納することにした。
食いしん坊なビードラが氷を舐めたりしないよう言い聞かせ、木箱に入れて厳重に保管したのだった。
……
帰りの船旅は行きと同じで、何事もなくというわけにはいかなかったけど、どこに何があるかはわかっていたので、対処しながら進むことができた。
道中の例のフライングキラーフィッシュとも再戦することになったが、とりあえずは負傷者が出ることもなく乗り切ることができた。
静かな夜の海を背景にトクジュウさんの作った料理を食べるとき、いつもなら間違いなくどんちゃん騒ぎをするはずの俺たちも、今回ばかりは流石にしんみりムードだった。




