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インド風僧侶が発した衝撃波を一番前で食らってしまった俺のダメージを、盾職のゴッズさんがスキルで肩代わりしてくれた。
ゴッズさんのスキル【身代わり】は対象者のダメージを肩代わりしつつ、自分自身は体力ギリギリで持ちこたえるという盾スキル。
その結果ゴッズさんは大ダメージを負ってしまい、ヒーラーのミズチさんが大急ぎで駆けつける事態に。
不意打ちと言えなくもないので、こんなことならこちらから仕掛ければよかった。
インド風僧侶を見ると、深く深く呼吸し、鼻や口、さらには皮膚という皮膚から先ほどからずっと辺りに充満していたお香の赤みがかった煙を吸収し始めた。
煙を吸った僧侶は恍惚の表情を浮かべたかと思うと一転、体中の筋肉がボコボコと盛り上がり、みるみるうちに変形。
表情も盛り上がる筋肉に覆われてしまい、感情がうかがい知れなくなってしまった。
最終的にインド風僧侶は、身長は倍以上の4メートル弱に、手が4本、真っ赤な目が6つもあるような異形の怪物へと変化したのだった。
その間俺たちはもちろん黙って見ていたわけではなく、攻撃態勢を整えていた。
さっきから鑑定を試していて、ディスプレイにははっきりと【魔王ギデオン】と表示されていた。
相変わらず詳細は文字化けして判読不能だったけどな。
こうなれば作戦は王道も王道のもの一択、作戦F-1。
ギデオンが魔王に違いなく、敵意むき出しで攻撃してきた場合のパターン。つまり、シンプルに【敵を殲滅せよ。無理なら逃げろ】。
仲間たちにはあれは「魔王」で「ギデオン」に違いないと伝えるだけで事足り、各々攻撃態勢に入ることになった。
俺もテイムホテルからマペットを呼び出したり、周りにいるメンバーにバーニングマッスル、ストーンスキン、フェザーオブウインドのバフをかけたりした。
アッシュは真凱旋獣歌で仲間全体のステータスを底上げした。
(アッシュの魂魄レベルが6に上がったことで、効果範囲がテイムモンスター限定だった凱旋獣歌が進化。仲間判定されている人間にまで効果範囲が広がっていた)
俺の目の前でターニャがアッシュが闘気を練り上げ始めたので、俺も絶剣デルムンドを構え、空中に7本のコピー剣を出現させた。
そして、攻撃準備ができた二人がギデオンに突撃するタイミングに合わせ、俺も宙に浮かぶ7本の剣をギデオンに差し向けたのだった。




