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k-51

 俺は基本的に、自分を害さないならモンスターも動物も同じだと思っている。


 ブルーウルフだって、襲ってくるから討伐しているのであって、アッシュのように懐いてくれるのならわざわざ殺したりはしない。というか、世界一可愛いアッシュを殺すなどありえない。


 ある朝、アンクルスネアにゴブリンがかかっていた。近くに彼の武器であろう棍棒が落ちている。


 グリーネ麻酔薬の効能で麻痺して動けないのだろう。俺は防具を着込んで彼に近づき、アンクルスネアを外してやった。


 フォートレスのレベル上げに丁度いいな。


 俺は、ゴブリンの棍棒を拾い彼の側に置き、麻痺が切れるのを待った。


 ◇◇◇


「グギャ? ……ゲギャー! 」


 ゴブリンの麻痺がようやく解け、棍棒を拾うと俺に殴りかかってきた。


「フォートレス」


 ガン! ガン! ガン! ガン!


 棍棒が盾に弾かれびくともしない。それでも30分ほど滅多やたらに棍棒を振り回すゴブリン。



『個体名:奥田圭吾はフォートレスLv4を取得しました』



 俺は、ベルジン魔法草を口の中でもしゃもしゃしている。


「ゲギャギャ? 」


 ゴブリンはゼーハーゼーハー肩で呼吸している。体力も限界そうだ。


「ギギャー! 」


 ゴブリンは踵を返して川の方向へ逃げていった。


 俺は別にとどめは刺さなかった。別に逃げるのなら追わない。あの調子なら、もうここには近づいてこないだろう。それでもまた襲ってくるなら倒すけど。


 そういえば最近ブルーウルフに襲われてないなと遅ればせながら気がつく。


 それは、ブルーウルフの上位個体であるアッシュが俺に懐いているためであることを俺は知る由もない。

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