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k-48

 ジュノの話によると、あのアホ貴族様はバイエルンという名前だそうだ。あの逃走劇の後、俺の家に直々に部下を連れてやってきて、何か怒鳴ってきた。


 逆に何を言ってるのかが解からなかったのが良かったのか、俺も申し訳ないという態度を終始とっていた。そして、ランカスタ語でゴメンナサイと言いながら、金貨5枚をそっと差し出すと、もっと寄越せという雰囲気を醸し出したので、金貨10枚を差し出した。


 するととたんに上機嫌になりレスタの町へ帰っていった。金貨10枚程度で貴族に睨まれなかったのだ、安い買い物だろう。実は金貨5枚を最初に出して、さらに5枚上乗せしたのは、金額のつり上げを見越してのテクニックであった。


 アホ貴族様。お願いなので二度と来ないで下さい。俺はますます、レスタの町には住むまいと思ったのだった。


 なお、アホ貴族に徴兵された他の冒険者にも、雷が落ちたらしい。なんと理不尽なことよ。まあ、俺には関係ないけどな。


 そして、マルゴとジュノは町へと帰って行った。



 ◇◇◇



 10:00

 翌朝。俺は、前々回、調子に乗って森に行ったときに採集してきた植物を庭に植えていた。真っ青なスペードの形をした葉っぱの植物である。


 鑑定しても【植物】としか出ないので、効用を調べるには食うしかない。


 俺はパルナ解毒薬を左手に持ち、思い切ってむしゃむしゃ葉っぱを口に含んだ。


 んが……。いかん、体が痺れてきた……。俺は急いで解毒薬を飲み干した。


 しかし、全く痺れは治まる様子がなかった。俺は、そのままパタリと倒れた。意識はあるのに、体が痺れて動かない。アッシュが心配して俺の足を右足でツンツンとつついていた。


 16:00。

 麻痺したまま6時間ほど経過。やっと動けるようになった。


 特段、体のどこかに不調があるわけでもない。しいて言えば昼飯を抜いているので腹が減ったなあというくらいだ。



『個体名:奥田圭吾は麻痺耐性Lv1を取得しました』



 俺は、口にした植物を鑑定してみた。



【グリーネ麻酔草:強力な麻酔効果のある植物。解毒薬などでは治療できない】



 麻酔薬だった。これは医療や、肉が欲しいときのハンティングで使えそうだ。


 俺は早速、家の周りに設置したアンクルスネアに、グリーネ麻酔草の煮汁【グリーネ麻酔薬】をハケで塗っていこうとした。


 そう思い家の外に出ると、アンクルスネアにイノシシがかかっていたので、剣で仕留めた。今日はシシ鍋にしよう。


 アンクルスネアに麻酔草を塗ることで、かかったモンスターを麻痺させることができる。かつ、毒ではないので肉を食うこともできる。


 手持ちの矢にも麻酔薬を塗って乾かしておく。毒とは分けて解かるようにビニールテープを巻いておいた。


 20:00

 血抜きをして解体したイノシシ肉を薬草、ニンニク、塩と一緒に煮込む。シシ鍋は、美味かった。アッシュも喜んで食っていた。


 肉を全部は食いきれなかったので、余った分は塩につけ、吊るして干し肉にすることにした。

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