表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化・コミカライズ化】商社マンの異世界サバイバル ~絶対人とはつるまねえ~  作者: 餡乃雲(あんのうん)


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

478/617

k-397

「オモテヲアゲヨ」


 目の前の精霊王はフォリア語で、歌うように鈴のような声でそう言った。顔を上げた俺の目に、無機質だが言葉に表し用のない圧を感じる存在がいた。



「初めましてエリューン様。ランカスタ王国ケイゴオクダと申します」



 どちらにせよ言葉が通じないと思った俺は、日本語とジェスチャーで、なるべく丁寧な発音でそう言ったのだった。



「そなたの操る言語は異世界のものであるな? これで通じるであろ」



 どういうわけかエリューン様とは一瞬で日本語が通じた。


 特殊なスキルでもあるのだろうか。



「さて、よくきてくれた人間。私もお前には興味をもっていたよ。我が名はエリューン。この精霊王国メキアの王である」



 精霊王エリューン様はそう言ったのだった。



 エリューン様は自分のことを樹木の精霊ドリアードだと名乗った。



 俺は図書館で読んだ精霊ドリアードに関する記述を思い出していた。


 人間は精霊の力を借りて魔法を行使する。


 樹木の魔法は土属性に該当し、ドリアードの王は土属性の上位精霊と言われている。そして通常上位精霊は人前に姿を現すことはないと書いてあったはずだ。


 こうしてお目にかかれるのは、中々に貴重な体験なのかもしれない。



 

 エリューン様はターニャとアッシュを近くに呼び、頭を撫でていた。



「ターニャはケイゴオクダのことが好きなのかな?」


「うん!」


「そうか、それは重畳である」



 最初は無機質な印象だったドリアードの精霊王の雰囲気は一変。



 柔和な笑みを浮かべるその姿は、まるで我が子を愛しむ母のように見えたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ