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【書籍化・コミカライズ化】商社マンの異世界サバイバル ~絶対人とはつるまねえ~  作者: 餡乃雲(あんのうん)


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 アッシュのことで忘れそうになってたけど、ビードラの新しいスキルの使い方を教えてもらうんだった。



 ホワイトさんもすっかり忘れていたみたい。



 気を取り直して話を聞こう。



 彼の話によると、そもそも魂魄レベルが上がるとモンスターとしての格があがり、言わばレアスキルのようなものが手に入るというのだ。



 魂魄レベル2でゲットした “テイムホテル” はテイムモンスターを亜空間に入れたり出したりする技。


 テイムモンスターの力で亜空間を生み出すため、モンスターのステータスにスキルが現れるが、技の発動はテイマーが行うとのこと。


 魂魄レベルがあがることで格納できる体積が増えたり、一緒に入れたエサの劣化が遅くなったりする効果が現れた例もあるとのこと。(それもモンスター毎にまちまちだそう)


 さっそくランカスタ語での「テイムホテル」の掛け声で小さなモヤのような空間が生まれ、「ビードラ、ハウス」でビードラがモヤに収納、「ビードラ、おいで」で出現するというものだった。


 ビードラのエサとしてもってきた黒パンをモヤに突っ込んでみたら問題なく収納され、取り出しもできたのでアイテムの持ち運びにも使えそうだ。




 それから俺はビードラやアッシュのことを教えてもらった御礼に、昨日漬けたホタルイカで御礼メシを作ることにした。



「そういえば良いお土産もってきたんです。これで軽くメシでも作りますね。ちょっとキッチン借ります」



 俺はホワイトさんにホタルイカ沖漬けの入ったビンを見せつつ、キッチンへ向かう。



 今朝味見したけど、かなりの自信作だ。



 今日ホワイトさんは夜の宴会も来るはずだから、お昼は軽めな丼にでもしよう。



 俺は兵舎の台所でボーラシュ平野原産の米でホカホカご飯を炊き、大葉、刻んだミョウガ、輪切りにしたキュウリ(っぽい野菜)を敷き詰め、その上にホタルイカ沖漬けをのっけていく。



 これで沖漬丼の完成だ。



 ご飯が余ったので、別の兵士食わせればいいやと6人前作って厩舎にもっていった。



 厩舎には厩舎番の兵士とホワイトさんだけだったので、3人で食うことにした。(沖漬丼残段数3)



 案の定ホワイトさんと厩舎番の兵士は沖漬丼に口をつけた瞬間 “カッ!” っと目を見開くと、箸を “カッカッカッカッ” とリズミカルにテンポよく動かして平らげ、蕩けた顔で牛のような声を上げて喜んでくれた。



「あ、まだありますが……」



 俺がそう言い丼を二つ差し出すやいなや、二人は常人とは思えない強力なグリップ力で丼を掴むと “カッカッカッカッ” 。(沖漬丼残段数1)



 あまりの食いっぷりに目を奪われていると、食べ終わった二人の目が一つだけ残った丼に目が “ギン!” と固定されジャッカルが獲物を狙う目になった。



 夜の宴会もあるんでほどほどにしては……、と言える雰囲気ではなかった。



 「あはは。そういや俺、あまり腹減ってなかったなあ……。良ければ俺の分もよければ……」と手つかずの自分の丼を差し出した。(沖漬丼残段数2に回復)




 という感じで慌ただしい御礼メシを終えた俺は、天岩戸アマノイワトに帰ることにした。



 「ビードラ、ハウス」と言ってビードラをテイムホテルに。


 一匹分軽くなったショイコにアッシュを入れて歩いたら、幾分か足腰が楽になった。

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