表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化・コミカライズ化】商社マンの異世界サバイバル ~絶対人とはつるまねえ~  作者: 餡乃雲(あんのうん)


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

336/617

k-262

 町の名前かあ……。



 名前なんて正直どうでもいいと思っちゃうんだけど、どうやら領主自らつけるものなのらしい。


 通常は奥さんの名前を付けるらしい。



 こちらの言葉で「愛してる+奥さんの名前」みたいな感じの名前がスタンダードらしいのだけど、日本男子的な感覚でいうとそんなこっぱずかしいことはできん。



 サラサとマルゴが「愛してるユリナ」にしないの? とニヨニヨしながらあからさまに冷やかしてくるのがムカツク。



 だが郷に入らばの精神も大事なのでこちらの文化を全否定するのもねえ……。



 そこで日本語で「愛してる」の意味の言葉にし、対外的にはバレやしないので別の意味の言葉だと説明すればどうかと思い付いた。



 丁度いい日本語がないかだけど、日本語で「アイシテルユリナ」。



 ……語感がちょっと微妙。



 何か丁度いい言葉ないか。



 その時、ふと俺の頭に夏が似合うあの国民的バンドの音楽が流れてきた。



 愛しのサリー、イトシノサリー……。



「あ、思いついた。イトシノユリナ!」


「ソレイイワネ! イトシノ、ドウイウイミ?」



 サラサもユリナさんの名前が入っていることに大満足のようで、ジェスチャー混じりでどういう意味かと聞いてきた。



 俺は「リスペクトしているって意味さ!」とサムズアップしながら誤魔化しておいたのだった。




 俺とサラサが極めて不毛なやりとりをしている最中、テイラーさんが何かを紙に書いていると思ったら、ヴォルフスザーン男爵家の紋章を書いてくれていた。



 ヴォルフスザーンは狼の牙を意味するだけに荒々しく強そうな紋章になるのかと思いきや、子狼が蝶々を追いかけてピョンピョン飛び跳ねている、ファンシーで可愛く、とびきりオシャレな家紋が出来上がった。



 その旗を先頭で掲げて敵と戦うことになるマルゴとジュノが渋い顔になったけど、サラサやアイリス、テイラーさんが大盛り上がりしているところに水を差すのも悪いと思ったのか、ダンマリを決め込んだようだ。



 女性陣の機嫌を損ねると後が怖いことを知っている俺は、マルゴとジュノに倣ってファンシーな家紋については反対しないことにしたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ