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【書籍化・コミカライズ化】商社マンの異世界サバイバル ~絶対人とはつるまねえ~  作者: 餡乃雲(あんのうん)


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k-251

 石造りの地下牢の中には手錠と鎖で拘束されたコブラ使い給仕とアサシン美女が放り込まれており、尋問がされている最中だった。


 そしてその様子を眺めていると、後から騒ぎを聞きつけたのかバイエルン様と王様、ハインリッヒも到着。



 兵士が恫喝するような感じで尋問していたが、男給仕は黙秘、美女の方は必死に弁明しているようだが容疑を認める風でもなかった。



 それに業を煮やした兵士は、コブラ使い給仕の方には毒入りパスタを、アサシン美女には猛毒ナイフをチラつかせて脅し始め、二人は顔を青くし始めた。



 すると、背後からあのマフィア男爵が「ローズ!」と叫びながら入ってきてバイエルン様に猛抗議。


 そのまま牢屋に突入したマフィア男爵は兵士から手錠の鍵を奪い取ると「ローズ!」と叫んでアサシン美女に突撃。



 手錠を外した後、熱い抱擁を交わすのかな? なんて思ってたら美女のグーパンチがマフィア男爵の顔面にクリティカルヒット。



「ローズ……、〇××……」



 ほっぺたを押さえて「よよよ」と涙を流すマフィア男爵。



 トレードマークだったマフィア風の帽子がずり落ちて、寂しい頭頂部が剥き出しになっていた。


 先ほどまでの葉巻を加えてしかめっ面をしていたギャングっぽい迫力は欠片もない。



「あのー、すみません。何がどうなってるんですか?」



 俺が聞いても王様、バイエルン、ジルさんは「さあ?」と肩をすくめるばかり。



 まあ、そうだよな。


 俺も何で暗殺の依頼主が暗殺者に殴られてるのかわからない。



 だがそこで、



「アー、チョットイイカ?」



 かなり遠慮がちにハインリッヒが手を上げて説明を始めたのだった。



 ◆



 ハインリッヒによると、まずこのマフィアっぽい男爵様の名前は “アルペンドレ・フォン・タイラント” つまり以前立ち寄ったことのあるレスタ北の町タイラントの領主様。



 それでこのアルペンドレ男爵はハインリッヒにある頼み事をした。


 それが俺の作った “エギルの回復ポーション” の入手。


 目的は、見ての通り寂しくなった頭髪を若かりし頃のようにフサフサにし、意中の相手を射止めること。


 そしてその意中の相手が不〇子風スタイル抜群の美女ローズさん。



 だがここから話は急展開する。



 アルペンドレ男爵はローズさんの気を引くために、王様が出席するような貴族のパーティにローズさんも連れて行くことを画策。



 ローズさんはローズさんで、金持ち美男子がいる社交界に興味深々。



 ローズさんのことが気が気でないアルペンドレ男爵は、ローズさんに秘蔵アイテム “エンジェルフェイクナイフ” をもたせた。



 ところがローズさんは俺の叙爵した姿を見て一目惚れし、乗り換えることを決意。

(ここはツッコミどころだけど、ローズさんが認めているのでどうやら本当っぽい。ユリナさんがいなくてよかった……)



 そして俺はエギルの回復ポーションを一向に作ってくれない。



 この二つの情報からアルペンドレ男爵は次のように考える。



 “ケイゴオクダはエギルの回復ポーションを独占し自分と同じ男爵に成っただけではなく、愛しのローズまで奪おうとしている。許せない!” と。



 怒り狂ったアルペンドレ男爵は、コブラ使い給仕に俺の皿に毒を盛るよう指示したが失敗した。



 そしてローズさんは別に俺を毒殺しようとしたわけではなく、普通に俺を誘惑して落とそうとしていただけ。



 これがこの事件の真相ということになる。




 目の前には泣き崩れるアルペンドレ男爵、顔を青くしてうなだれるコブラ使い給仕、俺に色目を使うローズさん。



 こんな真相を一般公開してしまっては王侯貴族の権威が失墜しそうな状況に、全員が沈黙してしまったのだった。

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