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【書籍化・コミカライズ化】商社マンの異世界サバイバル ~絶対人とはつるまねえ~  作者: 餡乃雲(あんのうん)


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k-189

 翌朝、朝の鍛錬を済ませ朝食をとった俺たちは、ベイリーズ市の冒険者ギルドに行くことにした。


 ユリナさんの投擲スキルはレベル3まで上がっており、ゴブリンの頭を貫通するくらいの威力になっている。


 拳銃くらいの威力はあることになる。あとは弾丸用の球に風属性や地属性を付与すればもっと攻撃力が上がるかも……。


 ふふふ……、と人知れず含み笑いをする俺だが、あまりユリナさんを魔改造しすぎると夫婦喧嘩の際、立場が危うくなることに気づいていなかった。



「したいことは山ほどあるけど、まずはハインリッヒから逃げ切ることを考えないとなあ」



 どうせ冒険者ギルドに顔を出すのだ。討伐報告を兼ねてもいいだろう。


 宿屋の女将によると、冒険者ギルドは歩いていくには結構遠い距離にあるそうなので馬車で向かうことにした。買い物も色々したいしな。




「みつけた」



 宿屋のあった西門から中央広場をまたいで一本中に入った通りに、ドラゴンが火を吹いている看板がぶら下がっていた。


 ベイリーズ市はレスタに比べて数倍は規模の大きな都市だった。

 

 レスタよりも大きい冒険者ギルドの中に入ると、受付カウンターが3つもあった。多くの冒険者でごった返しており、中には明らかに人間ではない種族もいるようだった。


 依頼票を貼ってある掲示板も大きく、依頼の数も多いようだった。



 まずはユリナさんの冒険者登録だ。


 不安な顔をするユリナさんの手を引き手前側の列に並ぶ。


 ようやく順番が回ってきて対応してくれたのは、町娘といった感じの若い女の子だった。



「○×△◇○■!」



 独特の発音で理解できないのは毎度のこと。雰囲気から挨拶なのはわかる。得意のジェスチャーコミュニケーション発動だな。ダメなら筆談。


 俺はヴィラと名乗る受付嬢にユリナさんの冒険者登録をしたいこと、既に彼女が討伐したモンスターの討伐報告をしたいことを伝えた。


 彼女はOKのサインとともに登録用紙、それから水晶のような魔道具を出した。なんか懐かしいな。


 俺は書類を読んで、必要事項を記入していく。ジョブはどうするかな……。


 冒険者ギルドカードには一応ジョブの記載欄があり、俺は当初ファイターで登録されていた。武器がダガーだったからな。


 今は魔法と剣が使えるので、マジックウォーリアーと記載されている。


 対してユリナさんが使う武器はスリングショット。シューター? でもそんな職業は冒険者ギルドの区分にはない。


 受付嬢にスリングショットを見せて相談したところ、ジョブはアーチャーでいいだろうということになった。


 それから水晶のような魔道具に手をかざしてカードにステータス、レベルなどもろもろの情報が記載される儀式を行った。


 ユリナさんも最初の俺と同じ劣鉄クラスからスタートだ。



 まあ、最初の俺とは全然状況が違うけどね。レベル7、それもゴブリンなら楽勝くらいの攻撃もできる。


 それに既に討伐もこなしている。



 ということで、早速ユリナさんのクラスを上げるべく、倒したマーマン3体、ファントムバード1体、ここまで来る際に倒したゴブリン5体の討伐の証として指定されている体の部位を手渡した。


 ちなみに俺の討伐報告は上記に加え、コカトリス1体、ジャイアントアーチン3体、サーペント1体、パープルタランチュラ1体だ。


 他にも雑魚は倒しているが、ポイントの低い雑魚モンスターはあえて解体していない。積める荷物には限りがあるからな。



 結果、ユリナさんは劣鉄クラスから、青銅ブロンズクラスを飛び越えカッパークラスになった。惜しいアイアン一歩手前。


 その他、ギルドポイントが97ポイント、金貨7枚、銀貨6枚、銅貨5枚もらえた。


 自分で稼いだことが嬉しいのか、ユリナさんはほっぺたに手を当てて喜んでいたよ。


 アッシュも何に喜んでいるのかわかっていないながらも、嬉しそうなユリナさんを見てテンションが上がったのか、ぴょんぴょんとユリナさんに飛びついていた。



 俺の方もギルドポイント321ポイントもらえ、金貨42枚、銀貨8枚、銅貨2枚もらえた。


 今までのポイントと合わせて500ポイントを超えているので、ユリナさんの初心者特典と合わせて、何かスキルか魔法を習得しようかな。

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