k-113
サラサとのマルゴの結婚式当日。俺は、まだ朝日の昇らない暗いうちから、早起きして川に来ていた。
釣りは早朝に行うものだ。それに、彼らがやって来るのにチンタラ釣りをやっているわけにもいかない。
相当数釣れたら、早々に結婚式の料理の準備をするつもりだ。もちろん、ドラム缶風呂も忘れてはならない。
それと、パーティの中で俺がやる催し物はもう決めてある。結婚式と言えばあれしかない。結構魚の食いつきが良い。やはり早朝だからだな。
アッシュがまだ眠たいのか、俺の横で丸まってスピースピーと寝息を立てている。
昨日は早めに眠りについたのだが、つられて俺もふあとあくびをする。
……結構釣れたな。釣れた魚を川の水を張った桶に入れる。鮮度の良いものを刺身にしたい。後は、川の水をドラム缶に汲んで、家に戻った。
11:00
家畜へのエサやりを済ませた俺は、料理の下準備をすることにした。
彼らは、昼頃やって来るんだったな。
さて、トゥカリュスは食べる前に三枚におろすとして、まずは鶏から手をつけよう。
鶏を数羽しめて、血抜き。羽毛をとって下準備をする。
鳥は無駄にするところがない。砂肝、ハツ、レバー、ササミ。
刺身にして、すりおろしニンニクと塩をつけて食べてみた。ヤバイなんてものではない。流石に酒は自重したが、いつもならチビチビやっているところだ。
しめたての鮮度一級のハーブ鶏である。これで美味くなければ嘘だ。
12:00
鶏の調理をしていると、マルゴ、ジュノ、サラサ、エルザさんがやってきた。
俺は、エルザさんに「ハジメマシテ、コンニチハ」とランカスタ語で挨拶した。
確かこの人はジュノの滞在している宿屋で会ったことがある人だが、ほぼ初対面だ。
エルザさんは、にっこりと太陽のような暖かい笑みを浮かべ、俺に「コンニチハ」と返してくれた。
ジュノの方を見ると、照れくさそうに笑っていた。お前にはもったいないぜ、コンチクショー。
まあ、本当に辛そうにしていたのを知っているだけに、心からおめでとうと思ったよ。
さあ、楽しい結婚式の始まりだ。