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【書籍化・コミカライズ化】商社マンの異世界サバイバル ~絶対人とはつるまねえ~  作者: 餡乃雲(あんのうん)


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モノローグ・エルザ1

 私はエルザ。


 レスタの町で町議会の議員となったパパから引き継いだ、「陽だまり亭」という宿屋兼酒場を経営している。


 一応冒険者ギルドや商業ギルドから援助金があり、その分家賃を旅人や冒険者も利用しやすいような価格設定になっている。


 利用しやすい宿ということもあり、冒険者が私の宿屋を定宿として使ってくれている。


 その中に私の幼馴染のジュノもいる。


 ジュノや商人のサラサとは子供の頃からの付き合いで、私はジュノのことがずっと好きだった。


 ジュノがサラサのことを好きなのは知っている。自分の好きな人が誰を好きかなんて、すぐにわかったわ。


 でも、サラサは武器防具店のマルゴが好き。


 ジュノの心の悲鳴を上げているのを私はただ黙って見ていることしかできなかった。


 私は本当に辛かった。



 冒険者は体が資本なくせに、食事もまともにとらないで彼はどんどんやつれていった。


 本当に馬鹿な人。


 私は「うるさい、放っておいてくれ!!」という彼に、無理やりにでも食事をとらせたわ。


 私はサラサの容姿にコンプレックスを抱いていて、いつも鏡に映る自分のそばかすを撫でてはため息ばかりついていた。


 サラサの美しさは、単なる見た目だけではなくて内面の良さもあってのことなのはわかっている。


 けれども、嫉妬せずにはいられなかった。


 私のこの恋心はまるで角砂糖のように溶けて無くなってしまうのだろうと諦めかけていた。



 それでもある日、ジュノは私に恋人になってほしいと申し込んできた。


 彼は私のそばかすのある顔が、「見ているとあったかくてポカポカした気持ちになる」と言ってくれた。


 本当に嬉しくて思わずその場で泣いてしまったわ。


 私の恋心に気がついてくれていたことが何より嬉しかった。


 私はこの時、自分のコンプレックスが完全になくなったのだと思う。




 そうそう。ジュノには最近ケイゴさんという友達ができたみたい。この間、ジュノを訪ねてうちの宿に来たことを良く覚えている。


 彼は真っ黒な髪をしていて、優しそうな目をしていたことがとても印象に残っている。


 それと、足元でチョロチョロしていたワンちゃんもとっても可愛くて、思わず頭を撫でてしまったわ。


 ミルクをお皿に入れて上げたら嬉しそうにペロペロとなめていた。なんてキュートなのかしら!


 ジュノの話では、ケイゴさんは町から森の方向へ少し歩いた所に住んでいるらしく、今度紹介してくれると言っていたわ。



 ふふ。あの可愛いワンちゃんにまた会えるなんて本当に楽しみね!!

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