モノローグ・???(2)
我はブルーウルフ。狡猾なる森のハンターである。
我らは若君が世話になっているあの方へ貢物をしなければならぬ。
我らは定期的に鹿やバトルブルを狩り、あの方の家の前に置いている。
若君、どうか健やかに成長なさいませ。
あの方が外に出るときは、その殆どが若君と一緒だ。我らは影ながら、若君に近づくモンスターどもを狩り続けた。
ある時、飛竜があの方の家に飛来した。劣等種ではあるが、圧倒的な力をもつ敵だ。
その場には我らよりも力ある人間が側にいたので、とりあえず近くに潜むことにした。若君が襲われたときは、すぐに飛び出し身を盾にしてでも守る体勢をとった。
人間の力ある者が激闘の末、飛竜は遠くに逃げ去っていった。
ある時、あの方が川へ釣りをしに出かけた。
こちらの方に大きな熊のモンスターが近づいて来たときは、肝を冷やしたわい。
我らは集団となり激闘の末、熊のモンスターを倒すことに成功した。
戻ってあの方を観察してみると、釣竿を持ちながら若君を抱いてうたた寝していらっしゃった。まことに良きことだ。
我らは遠巻きに熊のモンスターとの戦いで消耗した体力を回復するため、休息をとることにした。
釣りを終えたのか、あの方が帰られるようだ。
ふとあの方が座っていた場所を見ると、川魚が我等の数だけ木の枝に串刺しにされた状態でその場に放置されていた。
また、木の皿に我が怪我をしたときにつけてくれた体力回復の水薬も入れて置いてある。
あの方は全てお見通しのようだ。
我らの中で熊のモンスターとの戦いで怪我を負った者から水薬を飲み、魚を分けて食べた。
あまりの美味さに無我夢中で食べた。怪我を負った者もすぐに回復した。
その後我々はあの方の後を追い、主の家を警護すべく配置についた。