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k-13

 16:00

 ポーション作りのために簡易竈に火を起こしていると、割と近くで「アオーン」と狼の遠吠えが聞こえた。


 俺は、急いで小屋に戻り、スモールシールドとショートソード、弓を持ち出し、小屋に鍵をかける。すると、50メートル先に狼らしき生物、3体が現れた。


 「やべえ……」


 鑑定と念じてみると、【狼】とだけ出た。使えねえ。2.5メートル程度の奴が1匹と2メートル程度の個体が2匹。冷や汗をかく。


 俺は、弓を打ちつつ、小屋の壁を背に戦うことにした。後ろに一面でも壁があれば、全方位から狙われることを防げると考えた。


 ひたすら弓を打つが、敵は素早く当たらない。


 3匹の狼は散開し、俺という獲物を狩ることに決めたようだ。リーダー格らしい狼を中心に俺を挟むように移動する2メートルの狼2匹。


 その間も弓を撃ち、なんとか2メートルの狼を掠めた。しかし、狼はそのような攻撃はものともせず距離をつめてくる。


 もっとも俺は、モンスター対策として、古典的な罠を仕掛けてあった。


 『落とし穴』である。落ちてくれるだろうか……。俺は落とし穴の横に立ち、狼が近づくことに備える。


 リーダー格の狼は動かない。俺は2メートルの2匹を視界にとらえつつ、ショートソードと盾を構える。


 2メートル級のうちの1匹が、落とし穴を飛び越えて俺に飛びかかった。


 盾で牙をガードするも爪で腹を引っかかれた。皮よろいが傷つき、布のところは切り裂かれて血が滲んだ。


 俺は、何とか盾と剣で落とし穴の方に1匹を弾き落とし、穴に叩き落とすことに成功した。


 身動きのとれない狼の頭に、剣技『バッシュ』を叩き込み仕留めた。


 それを見た、もう片方の狼はリーダー格と合流。しばらく睨み合いが続いた。


 俺は、敵から視線を外さず、ペットボトルに入った体力ポーションを飲み、口を手の甲でぬぐう。


 すると、肩で息をしていたのが収まり、痛みのあった腹の傷の痛みが引いていった。気力を回復するためにベルジン魔力草も食べた。




 ――時間がやけに長く感じる。


 結局、リーダー格の狼が「アオーン」と一声合図し、敵は森の方へ帰っていった。


「た……助かった」


 俺は、ヘナヘナと急激に力が抜け、その場に尻餅をついたのだった。

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