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【書籍化・コミカライズ化】商社マンの異世界サバイバル ~絶対人とはつるまねえ~  作者: 餡乃雲(あんのうん)


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k-96

 10:00

 マルゴが空飛ぶトカゲモンスターの状況を俺に伝え、レスタの町へ帰っていった。安心しすぎて今日は何もする気がおきない。


 まあ、たまにはこういう日もあっていいか。今日はゆっくり過ごそう。


 俺はブルーシートの上に寝転がったり、アッシュを構ったりして適当に過ごした。



 13:00

 アンクルスネアに野ウサギが引っかかっていた。夜は野ウサギの丸焼きを肴に、一杯やろうと思う。曇天だが気分が良い。少し、雲が薄くなってきたかな? 今日は朧月だな。


 俺はアッシュにシカの骨を投げたりして遊びつつ、またダラダラと過ごした。



 18:00

 川で水を汲み、久しぶりの風呂に入ることにした。


 入ってみると、緊張しっぱなしだったことがわかる。体の凝りがほぐれていく感覚が半端ではない。


 ふー。俺はお湯でタオルを濡らして、絞ったホットタオルを目に乗せる。気持ちよすぎる。



 19:00

 風呂から上がり、野ウサギの丸焼きを作る。解体した肉に塩とすったニンニクをすり込んで木串に刺して焚き火で焼く。


 食欲をそそる良い匂いが辺り一面にただよう。


 アッシュはお座りして良い子を装っているが、口元からよだれがダラダラと垂れている。何を考えているのかバレバレだ。俺はエールの樽をもってくる。


 俺はエールをチビチビやりながら、野ウサギの焼き加減を見る。


 こんがりと狐色に焼けたところでぱくつく。ジューシーな肉汁が口いっぱいに広がる。


 アッシュが不満げに前足で俺をタシタシする。わかってるよ。


 少し肉を切り分けて、アッシュ専用のお皿に盛ってやる。


 これだけだと少し寂しいので、ハーブ鶏の燻製卵とスモークチーズを作りつつ、酒をチビチビやる。



 ――今日はやはり朧月だ。



 俺は蒼い幻想的な空を見上げながら、何も考えずに料理に舌鼓を打ったのだった。

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