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公爵令嬢の婚約解消……そして……

作者: つくも拓
掲載日:2023/02/23

プロットも何も考えたくなくなり勢いだけでつい。

お気楽な掌編ですのでまあ楽しんでもらえれば

無事卒業も決まり、今日はプロムナード。卒業記念パーティーだ。

仲の良い取巻き達と楽しくおしゃべりしながら会場に入ると、会場の真ん中で誰かが私を睨んでいた。

あ、私の婚約者のウイリアム皇太子様だ。

なんでそんなに怖い顔をしておられるのかしら?


「ウイリアム様、いかがなさったのです?そのようなお顔をなさって?」

「……本日この場で言い渡す。

アマンダ、そなたとの婚約は解消する」

「ウイリアム様、ご冗談はおよしくださいな」

「冗談でこんな事が言えるか!

おまえとの婚約は解消し、私はこのジェシカ嬢と婚約する事になった」


ウイリアム皇太子の隣には学園一の才媛と名高いジェシカが立っている。


「ウイリアム様、なぜそのような! 理由をお聞かせください!」

「まずその容姿だ」


最低!


「我が国は胸の豊かな女性が多い。なのに…」

「確かに私は小柄で胸もさほど豊かではありません。

だからといって人を容姿で判断するなんて!」

「私も辛抱したんだ。そのうち成長するだろうと」

「だからと言って」

「3年くらい前まではまだ良かったんだ。

だが成長期で…」


鍛え上げられたウイリアム皇太子の肉体は質実剛健。

大人の男性の身体つきになっている。

それに比べて私は……


「この2年、婚約者の務めとしてデートして」

「ええ。素敵な思い出ですわ」

「どこがだよ!!」

「?」

「その度に幼女誘拐犯と間違われたんだぞ!」

「あ、デートの度に急に姿が見えなくなったのって」

「警察に捕まってたんだよ!」

「ぜんぜん気がつかなかった」

「気づけよ!

それに婚約解消なんて話、こんなところでする気はなかったのに」

「のに?」

「こないだ話をしようとしたら『猫カフェ行きたい』って言って駄々こねて。

そんな所じゃ落ち着いて話ができない、大切な話なんだって言っているのに何したよ」

「?」

「道の真ん中で『この人に変なところに連れて行かれる〜』って叫んだだろうが!」

「あ、あの時かあ」

「お蔭でまた警察のご厄介になったよ!!」

「……テヘ♡」

「やっと解放されたと思ったら、警察から出てくるところをゴシップ紙にスクープされて『王室の闇に迫る!W皇太子、権力濫用し犯罪歴を隠蔽!』なんて書かれて大炎上だよ!」

「大変ですね」

「おまえの所為だろうが! その子供みたいな容姿をフルに利用した確信犯が!!」

「チッ!」

「舌打ちするんじゃねえ!」

「でも、容姿を盾に婚約解消なんて!」

「容姿だけだと思うのか?」

「ちゃんと勉強もしたじゃない」

「赤点を四つもとって、追試で下駄履かせてもらってお情けで卒業なのにか?」

「ちょ、ちょっと!そんな事ここで言わなくても!」

「もうみんな知ってるよ!掲示板に張り出してあるからな」

「チッ!」

「だから、舌打ちするなって!

それに『下駄履かせて卒業』ってのは『残られても面倒だから、さっさと卒業でていけ!』って事なんだぞ!」

「先生方に感謝!」

「少しは恥ずかしいと思え!

それにお妃教育の話も聞いたぞ。おまえロッテンマイヤー先生の授業で居眠りしてたってなあ」

「だってあの先生の授業、眠くなるんだもん」

「どうやったらマンツーマンの個人授業で居眠りできるんだよ!どんだけ図太いんだか」

「お褒めに預かり光栄です」

「誰も褒めとらんわ!! おまえお妃教育まるっきり身について無いだろうが!」

「え〜〜っと……」

「改めてお妃教育受ける気があるのか?今度は寝ずに」

「難しい注文だわ…」

「それに、おまえとは趣味が違いすぎて話が合わないんだ」

「そんな…ウイリアム様もお笑いが好きでしょう?」

「私の好みは正統派漫才や落語だけど、おまえの好みは過激系コントと下ネタじゃないか!」

「ちょっ、やめてよ。そんな事大声で言うの!」

「この前も教室で『下ネタ10連発〜』ってやってくれちゃったよな?

大事な事だからもう一度言うぞ?『この前も』だ」

「………え〜っと」

「目を逸らしてんじゃねえ。私は何度も泣いて頼んだよな。『あれはやめてくれ』って!」

「つい調子に乗っっちゃって…」

「ついじゃねえよ、アレが王妃候補のやる事かよ!

放送禁止用語のマシンガントークなんてそもそも女性がやっていい事かよ」

「ほら、世界は今ジェンダーフリーだから」

「さすがにもう心が折れたんだよ…

公爵閣下に土下座までされ泣いて頼まれたんで耐え忍んできたけど、もう限界なんだよ」


さすがにはっちゃけ過ぎたか


「ジェシカとはさ、彼女が図書館で泣いていたので声を掛けたのがきっかけだけどさ。話が合うんだ」

「図書館で泣いてた?どうして?」


きっとウイリアム様の目に留まろうと…あざとい女狐め


「試験前だというのに誰かさんに頼まれてノートを貸してあげたらしいんだ。そしたらその誰かさんは寝落ちしてノートが涎でぐしゃぐしゃに……」

「その節はご迷惑をおかけしました!!」

「同じ誰かさんの被害者って事で話が合って」


いや、もう何かいたたまれないわ


「公爵閣下から頂いた世界的巨匠のプレミアチケット、誰かさんが行かないって言うから誘って…」


まさかその後お持ち帰りして……


「…会場で公爵閣下にお会いして。

事の顛末をお話しして婚約解消のご了解を得た」


ゲスな事考えてごめんなさい


「でも、王家と男爵令嬢では釣り合いが取れないわ!」

「釣り合いの取れそうな上位貴族の子女は、この時期になったらもう相手が決まってるんだよ!

ジェシカは容姿も成績も良くて高嶺の花だったから、幸いまだ相手が決まっていなかったんだ。

ジェシカがいなければ私は生涯独身も覚悟してたんだよ!」


…じゃあ、私の結婚相手は!?


「おまえとの結婚は、王家と公爵家の絆を強める意味もあった。なので、おまえの婚約者として弟のアンドレを推挙しておいた」

「アンドレ王子?」


ウイリアム様に比べると少し見劣りするなあ


「アンドレは微乳ちっぱい派なので、アマンダはストライクゾーンのど真ん中だ」


喜んでいいの、それ


「王位にも興味がないので、お妃教育もしないでいいぞ」


マジ!?


「あいつのお気に入りの芸人は○○○だ」


完璧!!!


「ウイリアム様、このお話し受けさせていただきます!!」


ーーーーーーーーーーーーー

かくしてウイリアム皇太子は無事に婚約を解消する事ができ、新たな婚約者と手を携えて歩める事となった。



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― 新着の感想 ―
[気になる点] そんな!アンドレ王子にも好みがあるのに公共の場で下ネタトークを始めそうな女と結婚しろって言われたら逃げ出さないかな?
[一言] きょぬーもちっぱいもおっぱいはすべて尊いのだ そこに優劣は存在しない!!
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