始まり
本編に入ります!
近くに誰かいる?見覚えのない女性だ。目元にノイズが走っている。誰だ?俺はその人に親しげに話しかけている……。楽しそうだ。周りの風景もよく見ると“学校”の様な作りになっている。ここは…食堂?周りの人達も目元にはノイズがかかっている。なんだろう。既視感がよぎる。どこかで見たことがあるような……。
と思ったら急に景色が変わった。次は…闘技場?戦っているのは…俺と爽太が二人で周りの人達と戦っている。殺し合い…というわけでは無さそうだ。真剣にしているが、その上で楽しんでいるように見える。これは一体なんなんだろう。
うわっ、急に手から何か光の弾を出した⁉︎異世界ファンタジーかよ⁉︎
そんな奇妙な光景を見ていると。
「ーぃ」不意に声が聞こえる。
「ぉーぃ」
「おーぃ」
「嗣谷君!!!」
「ファッ⁉︎⁉︎⁉︎」
「授業中です!何寝てるんですか!もうすぐ受験なんですよ!」
「すいません。」
とりあえず謝っておこう。何が起きたかは知らね。
「あなたはいつもそうやってーーーーーーーーーーーー」
あぁ始まったよ。面倒くせぇ説教。それを何となーく聞いていると、
「聞いてるの!?」
「あっはい。聞いてはいます。」
クスクスと笑い声が聞こえる。ああ、めんどいな。ってか手首めっちゃ痒い…瘡蓋取りたい………(ガタガタガタガタ)。
ちなみに俺は教師陣に地味に嫌がらせを受けている。そのせいでよく癖で自傷行為に走ってしまう。いわゆるリスカってやつだ。
*知らない人のために補足
リストカット:刃物で自分の手首を切る行為の事。
最近そのせいでストレスが溜まってんだよなぁ。ヤダヤダ。その光景を見て二人、良い顔をしてない奴がいる。幼馴染であり俺の数少ない友人である霧破羅爽太。主人公かよって名前をしてる。
そして女子学級委員長の白維子香帆である。爽太は一応親友の俺が一方的に言われているのが気に食わないっぽい?白維子さんは真面目に授業受けろ、みたいな目を向けてくる。
「次は気をつけるように!」
「へーい」
そうして今日も一日が過ぎていく。
ーーーーー帰り道ーーーーー
「授業面倒かったなー」
「お前なぁ。後受験まで三ヶ月もないんだぞ。ちょっとは真面目にしろよ。」
「まぁ俺もそう思うんだがなぁ。でもあれは少し酷くないか?俺にだけ厳しいじゃん、あのBBA。おかげでどんどん傷が増えてってるぜ。」
「大丈夫か?お前飛び降りとかしないよな?」
「………まぁ大丈夫だろ(^○^)」
そんなくだらない会話をしながら帰っていた時だった。突然地面が光り始めた。災いにもここは人通りが極端に少ない。気付かれる事はほぼないだろう。
「なんだこりゃ⁉︎」「分からん!俺も聞きたい!テロだったら詰みだな俺ら!」
「そんな呑気な事言う場面じゃないだr」「ウ”ワ”まぶしっ」
そうやって光りがより一層強くなった時。
気づいたら俺達は草原にいた。
は?
俺たちはゆっくり目を合わせるとこう呟いた。
「「これってテンプレのあれだよな。」」
「でも流石に俺らがこっち側にたつとは思わなんだw。」
「それな、あってもクラス転移で復讐される側と思ってたよ。」
「「はっはっはっはっは」」
……………………。
「「((冷や汗ダラダラ))」」
どうする、この状況……。明らかにヤバいだろ…。
「なぁ親友よ。」
「なんだいブラザー?」
「どうするよ、この状況……。」
「一旦どこか街みたいなところに行きたいな……。あっ、あっちに何か見えない?もしテンプレ通りなら何かあるはずじゃない?」
「なるほどな…。まぁそれしかする事ねぇしな。最悪お前のイケメンスマイルでヒモ生活すりゃ大丈夫だろ。」
「え?しないよ?そんな事」
「そうならないように祈っとけよ。」
「しないよ!?」
「まぁ行こうぜ(ニカッ)」
「……だね。」
そうして街?へ行く事になった。
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「すいません。18歳未満の方は登録する事は出来ません。」
「「へ?」」
こうなったのは数時間前に遡る。
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「門があるからもっと厳しいかと思ったが、結構ゆるゆるなのな。まぁ身分証明書だせー、って言われても困るけど。」
「そうだね。出せなかったら、彼らから要注意人物のレッテル貼られるからね〜。」
「だな。」
門みたいなのはあったがそこまで厳しい訳ではなかった。聞いた話(by門番のおっちゃん)によると爆発物や危険物(毒物なども)、まぁ主に“起爆陣”というものが通ると警報を鳴らすようになっているらしい。
「まぁところどころ意味分からんとこあったけどね。」
「異世界だしな。」
とりあえず一旦話を聞いてみよう。まずは図書館行ってみようと思う。これ以外やる事ないしな。
「すみません。」
と思ったら絶世の美少女と言えるくらい綺麗な人が立っていた。その人は言わゆる聖女って感じの服装をしていた。
ほう、いかにも異世界っぽいじゃないか。
と感心していると。
「もしかして………転移者様でしょうか……?」
「ウェ⁉︎」「ふぇ⁉︎」
これ多分………そう思って爽太の方を見ると。
あいつもこっちの方を凝視してた。
やっぱりそうだよな。
とりあえず返事をすることにした。
「まぁ多分……そうだと思います。」
「やはりそうでしたか!お名前を伺ってもよろしいですか?」
「霧破羅爽太です。」「嗣谷幽鬼。」
「ソータ様にユーキ様ですね!私の名前はアメリア・シィルと申します!アメリアでもリアでも好きなように呼んでくださいね!」
コミュ力お化けやん、めっちゃ早口やったし。あいさつ定型文量産bot?
「はい。宜しくお願いします。」「ああ。宜しく頼む。」
だがこのコミュ力に負けてはならん!今のうちに質問や!
「早速だが質問だ。」
「はい。何でしょう?」
勝った!計画通り(ニチャア)
「ここどこ?俺たちは何なの?帰れるの?あと服どうにかしたほうがいい?」
「え⁉︎やっぱり何も聞いていないんですか!?あんの人はもう……。すいません。うちの上司が……。えっとですね。
ここはフランチスカティスカ皇国の第三王都です。あなた方は……あとで説明しますね。帰れるかどうかは…………まだ分かりません。服は大丈夫です。そのあたりは私が色々用意することができるので。とりあえず、ギルドに行きましょうか。」
おっ、出たなギルド。
「OK了解です。なら行きますか。ギルドってとこの仕組みとかって向こうで聞けますよね?」
「はい!そこまで長い規定はありませんので気にしなくてもいいと思いますよ!ただ一つ、これだけを守ってください。」
彼女は一旦区切って、
「依頼人関係の秘密は絶対に守る事。これだけ守っておけばルールはそこまで難しくありません。」
「「へ〜」」
ちょっとカッケェじゃん。
「では、参りましょうか(ニコッ)。」
「「お〜!」」
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そして現在に至るわけだ。ん?これ、やばいんちゃう?
「まだ15歳だったんですか!?」
「「うん。」」
「わ、私より年下……。」
「「え?」」