取引
ちなみに各部屋に風呂は付いています。理由は前に大浴場で事件があったからです。
「ならなぜ呼んだのじゃ。儂は出て来たく無かったぞ。」
「だってそうしないと“仕上げ”ができないんですもの。」
「…何をするつもりじゃ…。」
「取り除くの、貴方を。」
「こやつに力を与えているのは儂じゃぞ。ええのか?本人には確認しないのか?」
「ええ、抵抗する力もなければ拘束も簡単。ずっと私が養います!(ドヤァ)」
「そこでドヤ顔するな。まったく、まぁ剥がせる物じゃないぞ。儂は。奴が死ねば儂も死ぬが、それまで絶対に剥がれな
いような呪いが掛かっておるからな。ロズが本気で剥がそうと思えど、三日間は耐えられるぞ。」
*ロズが三日間かかる=上級の神30人で一週間かかるくらいです。中級〜下級の神ではまず解けません。
夕陽は上級の神。
「対策していない訳がないでしょう。」
「ほう?何をするつもりじゃ。」
「神器と私の“力”を使います。この『アルゴリメノス』を使って。この能力は【遅らせる】事。これには私が12年間神力を使って能力を遅らせていました。これなら…外せるんじゃないですか?」
それは刀のような見た目をしていた。
「…ふむ、いかにお前が《切断》を使おうと無理。と言ってやる気でおったんじゃがこりゃちと不味いのう…。なら儂も軽く運動してみるかの。」
そういって禁死は片手を前にあげて、
「【隔絶】」
そういった瞬間、真っ白な空間に二人はいた。
「本気ですか?この世界なら私は本気を出せますよ?」
「ほっほっほ、儂はこれでも無嫌物じゃぞ。なめるなよ、ストーカーめが。」
その瞬間。瞬間の出来事だ。
「不意打ちのつもりだったのですけど?」
「この程度でか?儂は不意打ちに反応するのが苦手なのじゃがなぁ。」
夕陽は確実に背中に剣を突き刺したつもりだった。だがそれはただの手の甲で止められてしまっていた。それを見た瞬間夕陽は距離をとった。
「いいのか?此奴の体が持たんぞ?このままいけば出血多量で死ぬかも知れんぞ?」
そういった瞬間手の甲から肉を抉りながら弾けるようにトラバサミが出てきた。
ガチガチガチガチ!「チッ!」
「避けるのにも苦労するだろう?そのトラバサミは。ああ。そうだ、御主のおかげで状態異常は貧血にしかならんのか。儂にぴったりじゃなぁ。」
今度は腹部から剣、針、槍がおびただしい勢いで飛び出してきた。
「なっ!」
「やはり空間を切断したか。じゃが良いのか?貯めていた力が漏れるぞ?」
両腕をダラん、と垂らした。そこからグシャア!という音とともに刃が何十枚も出てきた。
「悪趣味ですねっ。」
「近接戦は得意なんだろう?ほら、もうちょっと頑張れ。」
刀と刃のぶつかり合い。夕陽のほうは強度に置いて有利だがそれを禁止は質量でカバーしている。
あたりは血と欠けた刃で染まっている。
「ですがこれでも上級の神。舐めないでほしいですね。」
エネルギーが収束する。
「これで終わりです。」
そういって横に一閃。
「グッ⁉︎」
“幽鬼の体”の上半身と下半身が分かれた。
「これで貴方を切り離せます。何か遺言は?」
「……………本当にそれで勝ったつもりかい。こっちも随分と舐められたものだねぇ。ギヒヒヒヒヒッ。」
ニヤァという顔を浮かべる禁死。
ジャララララララララララララララララララララララララララ!!!!
上半身と下半身から鉄でできた凶器が溢れ出てくる。
「こうやってつなげれば………」
ガチッ!
「ほうら“儂は”元通りだ。どうだい、まだ続けるかい?これ以上するとさすがに後遺症が残るかもねぇ。此奴の体はまだ軟いからなぁ。可愛い可愛い主の愛子がズタズタになった姿を見たいのかい?それも自分の力が及ば無かったばかりに。ギヒヒヒヒヒッ。」
「チッ、なら今日はこれで終わりにしておきます。まぁこれからゆっくりと引き剥がしてあげますよ。」
「(首の皮一枚繋がったか…じゃがこの『補血』というスキル…。うまく利用できそうじゃな。ククククク。)ああ、良かった良かった。引き剥がされんようにこれからもへばり付いておくかの。ホホホホ。さて、【緊密】」
そういった瞬間、もとの世界に戻った。
「さて儂は眠るよ。この傷は御主に任せるぞ。」
「はいはい、さっさと帰りなさい。」
「『リバース』」
そういった瞬間、幽鬼の体は倒れた。
「はぁ、戻ってくるのに一体何時間かかるのか。恐らく丁度明日の6時くらいまでは眠っていると思いますが…?あっ!これは……。」
*現在時刻10:40 状態:お風呂まだ、夕飯まだ。
そう、風呂に入っていないのである!
「良いですよね。これはきっと私の日頃の行いが良かったからですね。今日ぐらいは………ふへへへへへへへへへ。」
これも作者のシナリオの上なんだ…。ごめんよ幽鬼………。
「おいコ”ラ”。」「あっサーセン。」
ドガッベキッグシャッメキッゴキッ!
「いちゃい………。」




