妖精の遊び場
あれから、二十層のボス。『ビートゴーレム』を多少苦戦しながらも勝利を収めた俺たちは、
二十一層に足を踏み入れるため、階段を降っていた。
「あと四層で攻略が進んでる最低層だよ。」
「ああ、最深部までこのまま行くか?」
「ダイキが言うと、冗談に聞こえないよ」
「あっ、見えてきたよ。二十一層妖精の花園」
「わお。 綺麗だなこれ。」
あたり一面に広がるのは花。
そして天井には、地下では見られないはずの空がそこにはあった。
「空だ。まさかここで見れるなんて、ほんとにダンジョンって謎ばっかだな。」
「そうだな。ここにある花を見てると妹を思い出すよ。」
「そういえば、蓮には妹がいたんだっけ。」
「うん。自分勝手な妹なんだ。名前は花。花はさ、僕みたいに家事はできるんだけど、態度が悪くてね、でもこの世界に来るちょっと前からそれが治ってきたんだ。多分好きな人でもできたんだと思う。
じゃないとあの花があそこまで変わるはずないからね。」
「色々あるんだな。 俺は、一人暮らしだったし何も心配とかそんなんはないかも。強いて言えば家賃かな?」
「そっか……もう家賃滞納しすぎて撤去されてるかもよ?」
「そうかも知んないな。さっ。気を取り直して進もうぜ!」
「そうだね! 最下層目指していこーう!」
二十一層から二十三層までは、トレントという木のモンスターが相手だったが燃やしても再生するというめんどくさいモンスターだったが、魔術による強化を乱用することで簡単に倒すことができた。
そしてあっさり二十四層に来た俺たちだが、ここに入ると俺たちは目を疑った。
そこには、目の焦点が合ってない探求者が人型のなにかを追いかけて遊んでる、かなりキモい風景が広がっていたからだ。
「う……ようしぇいさん」
呂律も回ってないし、いい年したおっさん達がちっさい妖精を追いかけてるのを見るのは、ロリコンみたいでかなりキモい。
「「「あ〜新しいおもちゃだ〜! これから一緒にあそぼーねー」」」
目の前にいるのは自分の手のひらより少し大きい人型の羽をはやした生き物。妖精。
今から俺たちもあんな奴らになるのかと思うと、
背筋が凍る。
あんな奴らに遊ばれたら最後どうなるのやら、
死ぬまでここで遊ぶのか、飽きるまで遊ばれたのちスパって首チョンパされるのか?
どっちにしてもヤバそうだ。
これがあったから二十四層以降の探索ができてないんだ。
「大輝、ここは僕に任せて。」
「は?何言ってんだよ! あの探求者みろよ。絶対なんか魔法かけられてるって。下手したらここで一生妖精のおもちゃだそ! 俺こんなとこで死にたくないよ!」
「うん。だけど僕のスキル【子守】を使えばどうにかなるかも。まあどうにかなるかもってだけで確証はないよ。」
【子守】
子供をあやすことが上手くなる。
子供からの好感度アップ。
確かに、ここの妖精は子供のように無邪気だ。
だがそんな簡単に行くだろうか?
◆
うまく行った。
妖精が蓮の元に大集合して今では蓮が見え無くなってしまうほどだ。はたから見れば
人を覆う妖精の鎧みたいな感じにしか見えない。
「大輝。どうにかなったでしょ? まあ半分賭けみたいな感じだったけど。」
「そうだな。てか蓮お前今はたから見たらやばいぞ。えっと、カブトムシの死骸に集まるアリを見てるな感じ。」
「本当?そりゃやばいね」
「本当ヤバイからな…」
その間も妖精達はワイワイと蓮を囲んで楽しそうにしてる。
蓮と妖精達は一通り遊んだあと、いや、遊ばれたあと妖精達は蓮と遊んで満足したのかほかの探求者をダンジョンの能力?を使って地上に転移させていく。
この転移させたって言うのも妖精が言っていた。ことなんだが、無事だといいな。
妖精達は、そのまま俺達に次の階層に行く道を教えてくれた。そして先頭に妖精達がフワフワと浮かびボス部屋の前に案内してくれて、何事もなく無事ボス部屋前に到着した俺たちなのだが、
妖精達はボス部屋の左に行きこちらに来いと手招きをする。
「ボス部屋入んないのか?」
「さあ?わかんない」
「だよな〜」
「「「早くおいでよ置いて行っちゃうよ〜」」」
俺たちは妖精の言われるままにボス部屋に入る前の扉の左端にやってきた。
妖精達は、なんらかの魔法を使い隠し扉を開ける。
隠し扉?! こんなもんあんの?ダンジョンに⁈
現に壁の一部が地面の中に消えていき、人一人通れるかどうかの幅の空間が出来上がった。
妖精になら十分の幅だが俺からしたら狭い。
蓮と共に俺はその通路を進む。
通路は、暗く。前を進む妖精がわずかに放つ明かりが俺たちの道標。もしここで妖精に攻撃されたら死ぬしかないだろう。だが俺達は妖精を信じて進む。
妖精についていって少し経った頃、急に通路の先が明るなった。
明かりの先には、ダンジョンの外のような風景と街が街があった。だが街は広いだけで、建物自体は、妖精の大きさに合わせて作られているので大きくはない。
現在は夜だったようで、街を照らす明かりが蛍の光のようで儚く美しかった。
妖精達は、ここに着くとそれぞれが街の方へ向かい、
俺たちはポツンと残される形となった。
そう、俺たちは妖精達の街に招かれたのだった。
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