帰らずの森
東の森。そこは高ランク冒険者でもなかなか入らないと言われている森である、別名、帰らずの森。
帰らずの森は、決して高ランクだから絶対に帰ってくるわけでもない。
高ランクなら生きて帰ってくる確率が上がるだけだと、ギルド所有のデータに書かれている。
入るものは年に両手で数えるほどしかおらず、
入るのは、ただの馬鹿か、自殺志願者
そして、本当に強い者だけである。
そんな森へ入っていく彼を見たその時は、
まさか帰ってくるなんて、思いもしなかった。
あの人は………
あの人ならば………
◆
俺は槍の練習をしてる。
東の森で。ここには人も全然来ないから、スキルを使い放題のとってもいい場所だ。
そんな森でアイズの店で買った槍を持ち
スキルレベルを上げるためモンスターを狩まくっている。
スキルレベルを上げるには、使うこれしかない。
しかもただ使うだけではダメだ。
どういう風にすればとか、考えて使わなければならない。しかも、格下相手に使ってもレベルは上がらない。
常に高レベルの相手と戦わないといけない。
「アサシンラビットか……」
アサシンラビット。このウサギは、少しの音でしか移動せず、一撃で相手を仕留めることから、
ラビット種の中でもトップに位置するモンスターだ。
「「「「…………………」」」」
俺が少し動くと大量の殺気を向けられる。
(囲まれてる)
アサシンラビットは、一体でもcランク冒険者パーティを壊滅させる力を持つ。
そんなモンスターに囲まれるとか、
「ついてねーな」
でもこれは、スキルレベルを上げるチャンスだ。
「そんじゃ一丁レベル上げしますか。」
俺が戦闘態勢を取ると同時に、アサシンラビットは、一斉に襲ってきた。
「舐めんなよ。このうさめ」
槍でなぎ払うのを、素早く、そして無駄のない動作でかわすアサシンラビット。
間合いを開けようと後ろに飛ぶが、後ろからもアサシンラビットが飛び出してきた。
「ふざけ……んな!」
力任せに後ろに突き出した槍はアサシンラビットの頭にあたり運良く一体殺せた。
「てめーらのその技術俺に寄越せ」
「はぁ…………はぁ……」
周りには頭がないアサシンラビットや
胴体のないアサシンラビットが転がっている。
「勝ってやったぜ」
俺はそのまま地面に倒れる。空はもう陽が沈みだしている。俺はその夕陽を背景にステータスを表示した。
名前:佐渡大輝
種族:人族
職業:冒険者 Lv 46
『固有スキル』
【無遅刻無欠席 第一段階限定解除】
【模倣学習】
【翻訳】
『スキル』
【武術 Lv 21】
【剣術 Lv 25】
【槍術 Lv 22】
【火魔術 Lv 25】
【闇魔術 Lv 23】
【光魔術 Lv 25】
【暗殺術 Lv 8】
【超回復 Lv 14】
『称号』
【異世界での初めての遅刻】
【ゴブリンキング亜種を討伐した者】
【ウサギの天敵】
【暗殺術】
奇襲、潜伏、罠作成、盗聴、隠密の全てを使える、
【ウサギの天敵】
多くのウサギを倒したものに贈られる称号。
ウサギ系の魔物から敵意を向けられやすくなる。
ウサギ系の魔物へのダメージ増加。
やり切ってやったぜ。
もうすぐで、転職最低レベルの50だ。
Lv 50になると、違う職業に転職できるのだ。
転職は教会で行え、教会に行けば自身の能力値を知ることができる。
そう、ゲームで言えば
攻撃力
防御力
俊敏
器用
幸運
能力値を知ることができれば、
その教会ならではのシステムですら学べるかもしれない。
バーナルに行く前に転職しないとな!
「そうと決まれば、あと少しだけ頑張りますか!」
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