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第5話 喧騒のち喧騒

9

「ほんとに、大変なことをやってくれたなバカ」

現在翔は、学長室に呼び出されていた。

「使うつもりはなかったんですけどついカッとなってしまいまして…」

魔術と魔法の合わせ技は強すぎるということで、この学校では騎士団に入団直前にしか教えないらしい。

「しっかり、解説までしてくれたようで…先生のつもりか?」

30代くらいの男、のんきに話しているがばかみたいな魔力を垂れ流し、しっかりこちらを威圧してきていた。

「事情を知らず、申し訳ありません…」

この男、人類最強魔導士ルート・エバートの魔力はすさまじい。

「では、一つ質問がある。お前は誰からそのことを教わった?騎士団の連中か?」

重い、魔法を使わず魔力の密度を高めて威圧されている。

「それとも、そこにいるやつか?」

その瞬間扉があいた。盗聴者がそこにはいた。学長の言葉を聞いて逃げようとしたら周囲に障壁が張ってあり、逃げるに逃げられなかった。

「無礼をお許しくださいエバート様、私は王国騎士団、エル・ニルバルドと申します。この者の監視者として同行した限りであります」

エルはその場にひざまずき、返事を待つ。

「魔力に乱れがない、嘘はついておらんようだな」

一度切って

「では、盗み聞きもいなくなったということで、もう一度聞く、誰から教わった?先に言っておくが嘘、ごまかしは許さないからな」

ほほを汗が流れる。いっていいものだろうか?翔はぐるぐる考えを回す。

「あ、あの答えるのはよいのですが、この部屋から音が漏れず、のぞき見もされず、魔力感知もできなくなる。つまり、外に一切情報を漏らさないようにできますか?」

学長は少し考える。

「ふうん?よくわからないが、障壁では足りないな、空間断絶をしておこう」

すると、机の上にあったメモ帳を一枚破り魔方陣を描き始めた。

「こんなもんだろ、Disconnection<断絶>っと」

その時、周囲の空気が変わった。

「こ、これが、空間断絶、ですか…」

「さすがに君もこんな魔術は知らなかったか、まぁ私のオリジナルだから無理もながな」

学長は満足げに笑う。

「さぁ、これで君の注文通りだ。誰から教わったんだ?」

「レオ、いいよな?」

指輪をなでる。

「まぁ、ルートには、ばれてもいいだろう。なんかあったとき協力も必要だしねぇ」

その言葉が響いた瞬間、指輪は本来の姿を取り戻した。

「せ、聖剣レオバルド……!!なるほど、あなたがお教えになられたのですか。それなら納得です」

「ん?レオ知り合いだったのか?」

「こいつが人類最強魔導士だからねぇ、少し、お話をしたのさ」

何はともあれ納得してくれてよかった。

「では、君は聖剣との魔力的パスを切り離した状態で自分を鍛えたいということか。では、私が直々に指導をしてあげよう!」

話が早い、テンションが急に上がる学長

「あ、はい、ありがとうございます」

「そろそろ、聖剣を指輪に戻しなさい。空間断絶を解く」

「わかりました」

そういって翔は、また、指輪の形に戻し、指にはめる。それを確認した学長はメモ帳を破った。その瞬間、空間断絶が解けた。

「そ、そんなこともできるんですか…」

「ん?まぁ、ほんとはまた詠唱やって解くのが手順だけど、魔方陣壊せば源がなくなって勝手に無効化されるから、そっちのほうが楽なんだよ」

「な、なるほど」

「君には教えられることは多そうだな、こちらもワクワクしてきた!!」

うーん、このおやじやたらテンション高くなるなぁ…と、翔は思った。


***

10

校長室をあとにして家へと帰る途中

「おい、エル、全然見かけないと思ったら結局裏でこそこそやってたのかよ」

「ひ、人聞き悪いですよ。私だって裏で駆け回って昨日のショウ様の情報操作をしていたというのに」

どうやら、昨日の質問攻めを収束させたのはエルだったらしい。

「ありがとう、助かった。ちなみに、何をしたんだ?」

「ショウ様に人が近づかないように、先生を脅して2年部に無理やり編入させた。という情報を流しました。ビシッ!」

「ビシッじゃねぇよ。原因お前だったのかよ…」

翔の額を冷や汗が流れる。

「ま、まぁ結果的には助かった。で、さっきの件もある、もうこそこそするなよ?」

さっきの件というのは学長がエルの存在を看破したことだ。

「私、全力で隠密魔法、隠密魔術を重ね掛けして、本気で隠れていたというのに、簡単に見破られて心折れましたよ…」

そして、目に涙をうかべ。

「怖かったですよ〜、なんなんですか、あのバカげた魔力量は!魔力だけで人死にますよ!あれ!」

今日のことは、エルにとって相当ダメージがあったようだ。確かに、あの魔力の密度は半端じゃなかったけど…


***


「翔ちゃん、どうだった2年生の授業?」

家に帰ると雫がすでに帰り着いていた。

「ん?まぁ、模擬戦で2年最強を倒してきた」

後から知ったことだが、あの2人はタッグ戦負けなしで誰も顔が上がらなかったらしい。

「さすが、2年だな。全力出してギリギリだったよ」

「翔ちゃん、いやなことされてない?頑張っていけそう?」

「茶化すなよ、子供じゃないんだし」と、言おうとしたが雫は真剣そのものだった。

「そういうところ、ほんとすげぇよ」

小さくつぶやいたあとに、少し恥ずかしくなる。

「ん?どこが?」

こういうのって、よく聞こえないのがお約束なんだが、しっかり聞こえていたらしい。

「いや、先輩たち、嫌な人はいたけどいい人もたくさんいたから頑張っていけそうだよ」

「そう、ならよかった」

心底ほっとした表情だった。

「なんか、その、ありがとな、心配してくれて」

心配してくれたと考えると妙に照れくさい。

「え、あ、うんまぁ、それもあるにはあるんだけど…」

「私たちも2年に上がることになったぞ」

すると、部屋から姉が出てきた。

「は?」

状況に頭が追い付かない。

「えっと、翔ちゃんが2年生になっちゃっいそうだったから、今日まで、それぞれ、ずっと勉強してたの」

「今日まで、リビングに顔を出せなくてごめんなさい。今日二人で1年次最終レベルのテストを受けて満点だったから進級が認められたんだ」

一人は生徒会長、そしてもう一人は学校の先生、勉強することは人よりかは得意だろう。だけど

「2人ともでたらめすぎるだろ…」

2人が入ってくると知って少しほほが緩む。

「「ちゃんにはいわれたくないな!(よ!)」」

それぞれから突っ込みが入る。

「明日から、よろしくな」

「「こちらこそ」」


***


「今日はまた、進級した生徒がいまーす入ってどうぞ!」

担任がテンション高めに紹介する。

「小早川 咲です。魔力量は8000くらいです」

「水蓮華 雫です。魔力量は10000くらいです」

2人とも、魔力量がめちゃくちゃ多いそしてなにより

『なぁ、めっちゃ可愛くないか雫ちゃん』

『そうか?俺はクールビューティって感じの咲ちゃんだな』

『俺、雫ちゃん派だわ』

『断然、咲ちゃん派だな』

即座にクラスが派閥に分かれていた。

「なんか、知り合いがもてはやされると複雑だな」

「そうか?ちなみに俺は咲ちゃん好きだけど」

「おいおい、ガロンやめてくれ、実の姉だぞ」

あの1戦以降クラスの人たちとは打ち解けられた。席が隣ということもありガロンは特によく話すようになった。

「ほほう、じゃあ俺のことを兄と慕ってくれていいんだぞ!」

そういって胸をはる。

「やめろ、気持ち悪い」

クラスがざわめいたところで担任が静めにはいった。

「はーい、はーい男子諸君はやる気持ちはわかるが落ち着かないとただただ、気持ち悪いぞ!」

『…………』

すごい、一気に静まりかえった。

「今日はもうひとり、このクラスの仲間が増えます!このクラスに在籍していることにはなってたんだけど家の事情でずっとこれなかったの、仲良くしてあげてね」

ん?また増えるのか…て、あいつは!

「エル・ニルバルドです。魔力量は最近測ってないので細かい数字はわかりませんが20000くらいです」

『…………』

先ほどに比べてやたら静かなクラスメイト達、魔力量20000という数字に度肝を抜かれたのだろう。一応補足、騎士団員は10000ほど、その倍の魔力量である。そりゃあ、みんな、引く。

最後まで読んでくれてありがとうございまっす!

ネタが多めになりました。

次回もネタを多めにします。多分(保険)

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