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イマゴロセツナ 詩集

失意少年

作者: keisei1

 泥に塗れた林檎を 拾い上げて


 赤い果実をかじった 失意の少年


 

 あのの心は 不老不死で


 だからこそ危うい 禁断の放課後



 あのとつながりたくて 犯した不義の情操


 高架線の下 浮浪者 「お前も俺の仲間入りか」と


 呟けど 黒く白く 輝ける 彼の心は止められない



 あのの胸の内を知って 届かない想いと気づけど


 廃駅の傍 ホームレスが 「ようこそ 我が世界へ」と


 口にすれど ナポレオンとブッダ 併せ持つ 彼の想いは止められない



 楽園を追放されて 自分の身の丈を知る


 失意の少年は今も 前を見据えてるのさ



 かじった林檎は甘くて 時に苦味をともなえど


 だからこそ不実の意味 消沈の中 知ったのさ


 

 あのが離れ行くのは 仕方ないと思いはすれど


 後悔と涙 次々 溢れだすのは 止められない 


 土に埋もれいく純粋に 「さよなら」と叫ぶ失意の少年



 「あのと幸せを 分かち合えないのは 僕のせいだ」


 楽園から離れ 見える 路地裏の景色は 荒れていて


 それでも少年は進む 未だ見ぬ新世界へと 今



 なけなしのお金と 汚れたチケットをポケットに


 彼女の思い出 振り切るように 新しい場所へと



 君と幸せの欠片 分かち合いたかったけれど


 「泥に塗れた林檎 かじったのは僕だから 覚悟してた」



 未練がないといえば それは嘘になるだろうけど


 アレキサンダーと イエス併せ持つ 少年は進みゆくよ


 彼は顔をあげた 廃線の傍 拳をあげた奴は 失意少年



 彼の足跡をたどるのは難しい 


 彼はどこに行ったのか どこに向かったのか


 憶測する声さえ 聞かないからだ


 あ だがしかし 彼の生涯に幸甚あれと


 私は願うのみであった

 


 禁断の果実 それはやはり甘く 危うい苦みを持つ


 それでも人はそれを手にせざるを得ないだろう


 

 それでは少年と 訪れくる新しい少年達のために


 杯でも交わそうではないか


 それでは また会う日まで 失意少年よ






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