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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

チート少女の朝

作者: 北の山さん

投稿してみたくて書きました。

自己満足な作品かもしれません。

読んで下さる方に感謝。

ドン!!

「きゃっ」

「うおっ」

わたしは中二の女の子です。

遅刻しそうになりパンをくわえながら走っていたら

少年とぶつかりました・・・なんてベタな・・

今どき小学生の描く少女マンガですら出てこないよ・・これ。


しかし現実に私は今そんな場面の中にいて

しばし呆然としています。

相手の男の子もこちらを見て固まっているようですね。

彼は高校生かな・・ちょっといいかも・・なんて

マンガならこれをキッカケに仲良くなれそうですが、

無理!

私のくわえていたパンにはタップリのイチゴシャムが

ぬってありました。

そして彼の胸にはクッキリと赤く四角いマークが・・・


「何やってんじゃ、ごらぁ」

「ひぁっ」

怒るのは当然ですが

まるで・・そう殺気がこもっています。

目つきも残虐で冷酷なものになり獲物を見つけた

ケダモノのようです。

最初に見た爽やかな少年のイメージは何処にもありません。


「か、かくれヤンキー?」

「はぁぁ?」

あぁぁ・・また余計な一言を言ってしまった。

彼の目がさらにきつくなっています。

かくれヤンキーというのは仲間内で使っている表現で

見えないところでは悪の限りを尽くしているのに証拠を残さず、

普段は真面目で優等生のふりをして一般の生徒と

変わらないため、先生も親も気が付かない悪党のことです。


「・・・ちょっとこっち来いやぁ」

「え、え、?」

強引に私を立ち上がらせて引きずるように川原のほうに・・

今更のように気が付きました。ここは大きな川原の横の道で

倉庫など立ち並ぶ寂しい場所です。

ぶっちゃけ人が殆ど通りません。

悲鳴を上げても誰も来てくれないのです。


さらに草の陰になる場所に私を突き倒し

無言で私を見ています。怖い・・

「いやっ、こっちに来ないで!」

無駄と分かっていても大きな声を出してみますが、

ニヤニヤと下品な顔になった少年がジャムの着いた

自分のシャツのボタンを外していきます。

襲われる・・・・

怖い怖い怖い怖い・・・

心が恐怖で萎縮し現実から離れていきます。

またですか・・

ああっ・・もうすでに私には止めることができません。


彼の足元に何重もの光の輪。そして幾何学模様と

不思議な文字が浮かび上がり回転をはじめました。

まるでマンガやアニメに出てくる魔法陣そのものです。

男の子が驚愕して固まっています。

・・あの時と同じだ・・・・

私の思いの中を無数の雷が閃いたような光が走り、

一瞬で目の前にいた彼は消えてしまいました。


これが私のたった一つのチート・・・

何故そんな事ができるのか・・知る訳がない。

最初にこの現象が起こったのは、義父が小学生だった私に

襲い掛かってきたとき。

泣き喚いていたら周りが光でつつまれて、義父は消えた。


次に見たのは、塾の先生が後ろから抱き付いてきて

体を撫で回されたとき・・・ろくな目にあってないなー。

その時初めて魔法陣のような光の輪に気が付いた。

なぜか自分以外の加害者だけが消える。


彼らがどうなったか知らない。

世界のどこかの国に飛ばされたのか、

あるいは男の子が大好きな異世界かもしれない。


「そうよね。男の子は異世界に行ってオレツエーするのが

夢らしいから、きっと喜んでるね・・よし」

私はこの特殊な力に感謝し

自己完結な独り言を言って自分を納得させ、

遅刻しないように走り出します。

もしも、この力が無かったら私の人生は・・・

想像しないほうがいいですね。













   

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