プロローグ
大男「き、貴様・・・」
“ドサ”
大男が地面に倒れ息を引き取る
「はぁ~~。・・・終わったな。」
“ドサッ”
青年が呟き地面に倒れる
青年の体からは血が流れ地面を赤く染めていく
「オレも此処で終わりか・・・まぁ、後のことは弟に任せたから問題はないが・・・」
青年は想う
「ちゃんと王様できるか、それが心配だな。まぁ、頼れる臣下がいるし問題はないだろう。最初は戸惑うこ ともあるかもしれないが、そこは臣下を頼ってほしいな。・・・後は・・・ああ、あいつの嫁さん見れないことが残念だな、美人系かな?それとも可愛い系かな?・・・まぁ~何にせよ幸せになってほしいな。・・・ああ、眠くなってきたな・・・まだまだ言いたいことがあるんだけどな・・・」
“ガチャガチャガチャ”
複数の足音が近づいてくる
兵「いました!!こちらです!!」
やがて、地面に倒れている青年を見つけると、またしても駆け出した
男1「おい!しっかりしろ!!」
男2「傷を見せろ!!今、治癒魔法を!!」
男は手をかざすが
「いい・・・もう助からない・・・」
男3「そんなっ!?」
「覚悟はしていた・・・」
女「でも!!私たちが居れば結果が・・・」
女性はそこで話すのをやめた、仲間の男に手で制されて
「・・・確かに結果は変わったかもしれないが・・・終わったことだ・・・変えられようがない・・・それよりも、弟・・・に伝えてくれ・・・」
男1「なんだ・・・」
「弟に・・・民と共に・・・生きて・・・幸せになれと・・・伝えてくれ・・・」
男1「分かった。必ず伝える・・・だから、ゆっくり眠れ・・・戦友よ。」
「ああ。では・・・休ませてもらうよ・・・最高の仲間達よ・・・」
青年は静かに眼を閉じる
これが大国・エルボニア帝国と小国・リべール王国とハルバール王国の連合軍における大戦が終了した。
大国エルボニアは皇帝ギリアス・エルボニアが倒れたことで撤退、被害は全体の7割で兵力を極端に減らされた。
連合軍であるリベールとハルバールの被害は双方合わせて5割、結果から見れば勝敗は連合軍が勝利に見えるが、この大戦で、その卓越な指揮能力と自ら先陣を駆ることから連合軍を勝利へと導いたリベール王国が王・レオンハルト・リベールは皇帝ギリアスとの死闘の末、相討ち
また、連合軍副司令官であるハルバール王・ガゼル・ハルバールはこれ以上の戦闘は双方ともに困難とみなして帝国側に停戦協定を結び戦争終結を双方の国に宣言した。
そして、連合軍に勝利をもたらした王・レオンハルトは英雄として民たちに称えられ、その英雄説は語り継がれていくのである。
そして、大戦から20年・・・物語は動き始める・・・
???「ここは・・・何処だ・・・」
森の中に長身な体躯で白銀の長髪の青年があたりを見回して答える
そんな青年の周りを風が駆け抜け青年の美しい銀髪をなびかせる
風に目を瞑る青年の耳元で
“お帰りなさい”
と聞こえた気がした
青年は眼を開け周りを見回したが声の主はいなかったが青年は
「ああ、ただいま。」と返したまるでここが青年の帰る場所であるかのように
「・・・どうやら俺は戻って来たわけか・・・じゃあ、弟の顔でも見に行くかな。」
青年は歩き出した。