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「ワリぃけど先帰ってくれる?
今から飲み会なんだって。」
金曜日、バイトの終わったあたしのケータイに
雄輔からそんな連絡が入った。
「え?そうなの?」
「ああ。気をつけて帰れな。ゴメンな。
じゃ、また明日。」
切れた電話を見つめ、
ちょっぴりがっかりしたけど
ま、大学ってそういうこともあるよね。。。
翌日、大丈夫だったかと心配する雄輔に
大丈夫と答えながら、
「雄輔こそ大丈夫だったの?」
と聞いたら、思いがけずに
雄輔が笑いだした。
「オレは大丈夫だったんだけど
悠斗のやつ、いきなり泣きだしてさぁ。
おもしれーもん見ちまったぁ♪」
って、また思い出し笑いした。
どうやら泣き上戸だったらしく
飲みながらく昔の彼女の事を
泣きながら語ったらしい。
ふーーん、結構いかつそうな人だったのに・・・
意外・・・
その飲み会はどうやら男ばかりで
コンパとかではないらしい。
でも、その日から金曜日になると
「今日も飲み会・・・先に帰っといて。」
が、しょっちゅう聞かれるようになった。
そんなある日・・・・
「あら、雄輔くん♪」
「おう!カノン!」
「同じ講義だったんだね♪やったぁ♪
ここ空いてるよね?」
いきなり現れた女の子。
彼女は、雄輔に満面の笑みで話しかけると
あっさり雄輔の隣に座った。
???
この人だれ?
いつの間に親しくなったの?
どこでお知り合いに?
あたしの頭に一気に?マークが飛び交った。
「いつもここにいたの?
あたし、知らなかったぁ♪」
「オレも。じゃ、今までも会ってたかもな。」
「なぁ~んだ♪なんか運命って感じ?」
やけに馴れ馴れしいセリフに
思わずカチンときたあたしは、
「雄輔、知り合いなの?」
と、雄輔の袖を引っ張った。
「ああ、コイツ、カノンって言うんだ。
この前友達になったんだよな♪」
「えー?友達ぃ~?彼女にしてって言ったじゃない♪」
・・・・・・・・雄輔、
グーでパンチかましてもいいかしら?