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「さっきのステージもかわいかったなぁ。
それに足も綺麗し♪」
ニコニコしながら沖田くんは
ほなみの目を覗き込んだ。
「ありがと・・・」
トマトみたいになったほなみは
小さな声で言った。
「冷たいうちにこれ飲みなよ。
うまいぜ。」
雄輔に勧められてクリームソーダを
口にする。
「なぁ、オレにも一口くれねー?」
そう言うと、雄輔はあたしの方に体を寄せ
ストローを咥えるとちゅっとジュースを飲んだ。
「あーー!それあたしの!」
それって・・・・あたしのストロー・・・
「おい・・・雄輔、やりすぎだって・・・」
沖田くんはちょっとびっくり。
「うるせー。いいの。」
ニッと笑ってあたしの肩を抱く雄輔。
・・・・・・・・・・・
思わず忘れそう・・・
ここが教室で、
今は文化祭の真っ最中で
これは模擬店で・・・ってことを。
ピピピピピピピそこでアラームが鳴った。
「はーい、ありがとうございました♪
また来てくれんの待ってるぜ♪」
ドキドキドキドキ・・・・
あたし達は残っていたジュースを一気に飲み干し
教室から送り出された。
「すごいね・・・あいつら・・・」
「うん・・・」
はぁ・・・とため息ついて二人で顔を見合わせた。
振り返ると、目がハートマークのリピーターも
噂を聞いた生徒たちも
長い列を並んで待っている。
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