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「いいよな・・・」
小さくうなずいて
ドキドキしながら背の高い雄輔の顔を見つめ
そっと目を閉じたあたし。
今度はちょっと落ち着いて・・・
なんて思ってたら
ガタン!
と外で小さな音がした。
すっと体から雄輔のぬくもりが消えた。
立ち上がるといきなり
ガラッと部室の窓を開ける。
「うわぁ!」
飛びのくように散っていく人影。
「あいつら・・・・」
苦笑いしながら雄輔はあたしを振り返った。
「部長たちに、はめられたな・・・」
「そうみたいだね・・・でも・・・」
言葉を切ったあたし。
大きく息を吸うと
「よかったんじゃない?」
ってにっこりした。
「いつまでも雄輔に避けられてちゃ
精神衛生上悪いし。」
「・・・・・・・・・・」
「ね?」
「・・・・・・・・・・」
「いい加減、態度決めねーと
ほんとに逃げられんぞ?」
突然部室の入口が開いて
部長が入ってきた。
「結構じれったい奴だったんだな。雄輔。」
からかうように言った部長に
「部長ほど軽くないし。」
と、拗ねたように言った雄輔。
「ちょっと強引な方が女の子って嬉しいのよぉ♪」
なんて後ろからみさと先輩も顔をだす。
「ねぇ?あかりちゃん♪」
そこで同意を求められても・・・
ねぇ?