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「雄輔!ちょっと待ってよ!」
あたしは大声で叫びながら
雄輔を追っかけた。
でも、息切れ寸前。
目の前くらくら。
でも追いつかなきゃ、これから先
どうしても後悔する。
「近寄んなって言ったろ?」
眉間にしわ寄せた雄輔が
ため息をつきながら言った。
ちょっと・・・
何であたしがため息つかれるわけ?
「雄輔、勝手すぎ!」
「はぁ?意味分かんねー。」
「あたしが何で近寄っちゃいけないのよ!」
一瞬間があいて
雄輔は答えを躊躇した。
「納得出来ないよ。そんなこと。」
あたしはまっすぐに雄輔を見つめた。
「今よりひどいことになりたくねーし。」
?
「お前には分かんねーの。」
「だから分かるように言ってよ。」
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
「自信ねーから。」
「何が?」
「だから、自分が大事だったら
オレに近付くな。」
「だから何でよ!」
イライラしながら雄輔に詰め寄る。
ギュっと拳を握りしめた雄輔は
いきなりあたしを抱きしめた。
そしてあっという間に唇が重ねられた。
何度も何度も向きを変え
むさぼるように口付ける。
あたしはギュっと歯を食いしばったまま
硬直していた。
「オレは行動に責任持てねー。
だから離れてろっつったんだよ。」
・・・・・・・・・・・・・
そんなこと・・・・言われても・・・・