56
「雄輔・・・今なんて・・・?
どういうこと?」
あっけにとられたというか
びっくりしたというか・・・
まさか雄輔からそんな言葉が出るなんて。
なのに雄輔は、
「だからそのまんま。
オレの手の届くところには来んな。」
意味分かんない。
「でないとあかりをこれからも
傷付けちまう。
そんなことしたくねーから・・・・・」
そう言って、雄輔はあたしを残し、
部室へと歩いて行ってしまった。
・・・・何よ…それ。
「マネージャー!」
いつまでも運動場で立ちつくしてたあたしに
小塚先輩が声をかけた。
はっとしてあたしは声のした方を見た。
「何してんの?早く帰らないと・・・・」
途中で言葉を切った小塚先輩。
ん?どうしたのかな?って思ったら
近付いてきた小塚先輩が
あたしの頬をそっと親指でなでた。
「雄輔に泣かされたの?
どうした?
代わりにオレが雄輔泣かしてやるけど?」
?
気付かないうちに
あたしの頬には一筋の涙がこぼれていた。
「ごめんなさい・・・何でも無いんです。
あ・・・もう帰りますから・・・。」
慌てて鞄を取りに戻ろうとするあたしの腕を
小塚先輩が掴む。
「そんな顔して戻らない方がいいと思うけど?」
「大丈夫です。」
無理に笑顔を作ってきっぱり言う。
「んじゃ、雄輔監禁して
みんなでシバくか。なぁ?」
「いや・・・それは・・・・」
いくらなんでも可愛そう。
「じゃ、マネージャーから聞こうかな。
オレはいいぜ。雄輔シバいても。
もちろん俊介も賛成だと思うけど♪」
・・・・・・・・・・・・
何としても聞くぜとほほ笑みながら
値を運動場に座らせた。
「なんかよく分かんないけど
近寄るなって言われただけで・・・」
さっさと帰りたかったので
端的に答える。
「はぁ?何それ・・・・」
やっぱりこれじゃ分かんないか・・・
でも・・・
昨日のことは説明しにくいぞ・・・