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練習が終わったら
あたし、雄輔に謝ろう。
そしてちゃんと、
どうして怒ったかを伝えよう。
そんな話を真面目にするのって
とっても照れくさいけど
このままだとどうしても普通に接するなんて
無理に決まってる。
今日だって、朝も雄輔とは
全く顔を合わさなかった。
ずっと一緒に通ってきたあたし達には
今まで無かったこと。
「ちゃんと話します。
みさと先輩見たいにはなれないかもしれないけど。」
他意は無くそう言ってしまって
次の瞬間赤面。
「あら、心が通じたらすぐになれるわよ♪」
さりげなく笑顔で恐ろしいことを言うみさと先輩。
あたしと雄輔が?
あの日の部室での部長とみさと先輩が
フラッシュバックした。
・・・・・・・・・・・
想像しただけで顔が熱い。
無理ですって。あたしには。
一人照れてるあたしを面白そうに
みさと先輩は見ていた。
「あ、あかり、ちょっと話があんだ。」
部活がすんだ途端
あたしは雄輔に声をかけられた。
「あ、あたしも話があったんだ。」
一瞬、え?って顔した雄輔。
誰もいなくなったグラウンドで
雄輔があたしから目をそらしたまま
おもむろに口を開いた。
「この前のことなんだけど、
悪かったな。 」
「そうだよ。初めてだったのに。」
あんな風じゃなくて・・・・
ちゃんと気持ちがつながってから・・・
って言った方がいいかな・・
なんて思ってたら
雄輔の次の言葉にあたしは固まった。
「もう、オレに近寄るんじゃねーぞ。」