52/84
52
「あ・・・ごめんなさい!」
慌ててドアを閉めて後ろを向く。
あーびっくりした。
顔も熱い。
きっと真っ赤になってるだろう。
胸もドキドキして収まらない。
「何やってんだ?
一人で真っ赤な顔して。
熱でもあんのか?」
トンボを片付けて雄輔がやってきた。
「ダメッ!」
部室に入ろうとした雄輔を
必死に押しとどめるあたし。
「なんで?」
「何でも!」
「悪かったな。もう入っていいぞ。」
部長が出てきた。
後ろからみさと先輩も出てくる。
あたしと、部長たちを見ていた雄輔は
「へぇ~♪」
って、一言言うと、
一人納得した顔して部室に入った。
「じゃ、あたし達は先に帰るから。
戸締りよろしくね。」
みさと先輩に声をかけられて
「はい!」
と、顔を見られずに答える。
先輩たちの背中が見えなくなっても
雄輔は部室から出てこない。
何やってんだろ・・・
「雄輔?」
外から呼びかけてみる。
返事がない。
「ちょっとぉー。」
返事がない。
・・・・・・・・・・・
探し物でもしてるのかな・・・・
あたしは部室のドアを開けた。