51
「やっぱり仲いいよね~」
みさと先輩がうらやましそうに言った。
麦茶のコップを洗いながら
さっきの騒動が収まってホッと一息。
「あたしは公衆の面前で
あそこまで密着出来ないわぁ♪」
ニコニコと笑って言うみさと先輩に
心の中で『よく言うよ・・・』
と一人突っ込み。
あたしは公衆の面前で外国人ばりのチューは
出来ませんって・・・
面前でなくてもしたこと無いけど。
「でも、あれでみんなびっくりして
怒ってるどころじゃなくなったし、よくやったよ。
えらいえらい。」
「そんなに偉くないですけど・・・」
なんていいつつ、真っ赤になって照れてしまうあたし。
今更ながら、恥ずかしいことやっちゃったよな・・・
「喧嘩の後始末はちゃんとしてもらうからな。」
部長の宣言により、
居残り練習と片付けを仰せつかった雄輔と
福井先輩たちの下校時間は
みんなに遅れること30分。
部長は知らないだろうけど
一番最後の後片付けって
あたしがしてんのよね・・・
彼らが帰らないとあたしも帰れない。
薄暗くなりかけた校庭でトンボをかけてる雄輔を
一人眺めてる。
気付かなかったけど
逞しくなってた。
男の子ってあんなに体が硬いんだ・・・
ふと筋肉質の体の感触を思い出してまた赤面。
「さ、部室のゴミ捨てでもしとこう。」
あたしはみんなが帰ってしまった部室に
ゴミ箱を取りに行った。
ガラッ。
ドアを開けた瞬間・・・・・
誰もいないと思ってたのに
部長とみさと先輩がいた。
しかも・・・・・・
こんな至近距離で見てしまったよ・・・
この前にも増して情熱的なキスシーン・・・・