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次の月曜日。
「ほら!遅れんなよぉ!」
部長と小塚先輩はきりっとした顔で
練習をスタ-トさせた。
土曜日のことなんてこれっぽっちも
頭にないみたい。
無事いつも通りの練習が始まってホッとした。
「先輩、もしかしてより戻しました?」
みさと先輩と二人きりになった時
あたしは聞いてみた。
「え―――?そんなことないけど。
俊介も別に何も言わなかったし。」
うそ・・・・
何も言わずにこの前のあの
みんなをくぎ付けにしたキスは
何だったの?
あたしのびっくりした顔を見て
みさと先輩はクスクス笑った。
「えー?今どきあのくらい普通でしょ?」
「違うと思いますけど・・・」
「もしかしてあかりちゃん、まだ?」
「誰とするんですか・・・そんなこと」
思いっきり照れながらも否定する。
「誰とって・・・もしかして雄輔くんと
まだ何にもないの?」
「ないですケド・・・」
何・・・
無い方がおかしいとでもいいたそうな視線・・・
今どきってそうなの?
ウソだぁ。誰かウソだと言ってよ。
その頃・・・
「なぁ、雄輔、土曜日あの後どこ行ったんだ?」
「え?イヤ別に・・・・飯食って帰ったけど?」
「まぁたまたぁ♪
マネージャーの手しっかり握って
どこにもいかねーなんてありえねーっつーの。」
ニヤニヤしながら
いいなぁって顔して雄輔を囲むやつらが3人。
「練習中だろ。」
「そう言わずに教えろよ。」
「何もねーっつってんだろ!!!!!」
イラッとした雄輔が思わず怒鳴る。
その声は運動場に響き渡った。