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あまりに簡単な
あまりに直球すぎる雄輔の答え。
あれからあたしの頭の中には
雄輔の一言がリフレインしている。
「あんなヤツに近寄らせんな。ボケ!」
「じゃ、誰だったらいいの?」
「オレ。」
そんなこと言われたら
あたしはどうしたらいいんだろう。
それって、それって、
どう解釈するといいの?
あのセリフの後の雄輔はいたって普通で
でっかい口あけて
美味しそうにハンバーガー食べてた。
食べっぷりの良さは昔からだけど・・・
あたしはあたしで、
大好きなチーズバーガーを
これまた大口開けて食べてたけど。
なんせ、相手が雄輔だと
今更取り繕ってもしょうがないってのもあるし・・・
変におちょぼ口でなんか食べてたら
雄輔、絶対笑うし。
「なにお上品ぶってんだよ!
似合わねー♪」
とかってからかうにきまってる。
「ねぇ、月曜から部活行きにくくない?」
捨て台詞吐いて抜けてきたんだから
それなりに先輩からなんか言われんじゃないか?
って心配してるあたしに雄輔は言った。
「んな、お遊びに付き合わねーくらいで
グヂグヂ言うような先輩なんざ
オレがぶちのめしてやる。」
ニヤッと笑って言う雄輔は
中学時代のやんちゃな顔をしていた。
「ほらぁ・・・またそんなこと言って。
つまんないトラブルには
巻き込まれるだけ損だって知ってんでしょ!」
それで散々嫌な思いもしたくせに。
「じゃ、オレが暴走しそうになったら
あかりが止めりゃいいじゃん。」
「あたしが雄輔をどうやって止めんのよ!
あんた怒ると、押さえ効かないじゃん。」
人の言うことなんか聞きやしないからねぇ。
雄輔は。
「抱きついたら止まるかもよ」
・・・・・・・・・・・
あっけに取られるあたしを見て笑う雄輔。
冗談じゃない。
そんなことできるかぁ!!!
って思ってたのに・・・・・