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部長とマネージャーのデートの日は
なぜか学校に一旦みんな集合して
小塚先輩の指示を聞く。
「お前たちは電車で行け。
隣の車両から目を離すな。
駅に着いたら降りたのを確認して
どこで降りたかオレのケータイに連絡しろ。
オッケー?」
「ラジャー♪」
「んで、後の奴らは一本後の電車で行くぞ。」
「了解!」
着々と進んで行く追跡劇に
あたしは思わず雄輔に聞いてしまった。
「ねぇ、この前の時もこんな感じだったの?」
「ああ。っつーか、これ、恒例らしいぜ。
もしかして知らなかった?」
「うん。」
知らないよ・・そんなこと。
「でも、少なくとも小塚は知ってたぞ。
分かっててあそこまでやるんだからすげーよな・・・」
ボソッと言った雄輔があたしを見て言った。
「当然部長も知ってるよね。」
「だろうな。だから多分、必死で巻くぞ。」
「小塚先輩は・・・
巻くとかそんなことしなかったけど・・・」
思い出してもそういうそぶりはなかった。
「だろうな。
公認であかりを落とすつもりだったんだろ。」
うそ・・・・・
「ま、失敗に終わってよかったけどな。」
「そーだね・・・・」
なんて言ってるうちに
みんなで移動開始。
あたしも慌ててみんなについて行った。