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なぜかその場のノリで、
野球部一同、土曜日の極秘指令が一気に発令された。
『部長とマネージャーのデートを見届けること!』
もちろん彼らには内緒で。
欠席は必ず小塚先輩に報告すべしと・・・・
これも部活なのか?
あたしは、みさと先輩に言うわけにもいかず
雄輔に愚痴ってみた。
「デートの覗き?
んな悪趣味な・・・
雄輔もそう思うでしょ?」
「・・・・・・・・・・・・」
雄輔は何も言わない。
「みんなそんなことに興味あんのかな。
へんなの・・・・」
みさと先輩の気持ちを聞いちゃったあたしは
部長とのデートは楽しんで欲しいなって思う。
なのに面白がってついてくなんて・・・
「ま、ばれずに最後までついてくなんて
不可能だろうけどね。」
「んなことねーだろ。」
初めて雄輔が答える。
「だってあれだけの人数がうろうろしてたら
絶対ばれるって。」
「じゃ、お前も気付いてたのか?」
・・・・・・・・・・・・
今・・・雄輔、怖いこと言いました?
あたしが?
何に気付いてたって?
!!!!!!
「もしかしてみんな見てたの?」
「あたり。」
・・・・・・・・・・・・・・・・
雄輔が最近イラついてるのも
口数が減ったのも
もしかして見てたから?
小塚先輩、結構接近してたよね・・・・
あれをみんなに見られてた?
ウソ・・・・・
そこではっと気付く。
『あの小塚先輩に落ちなかったんだから
よっぽど好きな人がいるんだよねって
みんなで噂してたんだ。』
みさと先輩は確かにそう言った。
みんなで噂してるって・・・
みんなが知ってるってことだよね。
・・・・・・・・・・なんてこと・・・・・・