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じっと待つこと20分。
遠くに人影が見えてきた。
・・・・・・・・
あら・・・また一番は小塚先輩・・・
やっぱりね。
だから雄輔、体力的に無理だってば・・・
気持ちは嬉しかったけどね・・・
なんて思ってたら・・
小塚先輩のすぐ後ろから
雄輔が戻ってきた。
うそ・・・・
『オレはやるときゃやるんだよ。』
笑いながらいつか言った雄輔の言葉を思い出す。
ほんとだ・・・・
「結構しつこいな。」
「うるせーよ、お前になんか負けるか。」
「先輩にお前呼ばわりたぁ生意気だ!!!」
走りながら二人が絡み合った。
え?小塚先輩、足引っ掛けてる?
雄輔、先輩叩いてる?
あれ?あれ?と見てる間に
二人は道の真ん中でもつれあって
殴り合いを始めた。
ちょっと・・・・
ゴール間近にして、
あの人たちは何をやってるんでしょうか。
「あほ!早く起きてゴールしねーか!」
部長がその横を颯爽と走る去っていきながら
二人に叫んだ。
はっとして起き上がる二人。
その間に、余裕かまして部長はゴールした。
・・・・・・・・・・・・・
あほ・・・・