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「雄輔、やめなよ。」
「ウルセ―。お前は何で平気なんだよ!」
雄輔が壊れそう・・・
マズイな・・・・
「そんなに言うんなら、
お前が一番で帰ってくりゃいいじゃねーか。
そしたら誰も文句は言えねーぞ。
もちろん、そんなこと俺がさせねーけどよ。
それに、デートの続きもしたいしな♪」
小塚先輩が挑発的に雄輔に言った。
「おもしれーじゃねーか。
よっしゃ、ぜってー一番で帰ってくるから。
ほら、さっさと号令掛けろよ!」
単純というか、乗りやすいというか・・・・
部長はニヤッと笑って
「さっさと並べ!」
とみんなにに号令をかけた。
「よーい!どん!」
みさと先輩の声に、一斉にスタートを切る。
ロードワーク嫌いな雄輔が
真面目に走ってるよ・・・・
「雄輔くん、カッコいいじゃん。」
みさと先輩がニッと笑ってあたしに言った。
「愛されてんねぇ♪
ゴールしっかり見ててよ。」
そう言い残すと、折り返し地点のチェックへと
自転車を走らせて行った。
いくらなんでも
3年生に勝てるわけないじゃん。
雄輔、体力の差を甘く見てんじゃないよ・・・
でも、
正直、嬉しかった。
これで一番でほんとに帰ってきたら
もっと嬉しいけど・・・・
ま、無理だよね・・・・・