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翌日、部活に行くと
みさと先輩が興味津々で話しかけてきた。
「土曜日、どうだった?」
顔にニコニコワクワクを一杯に張り付けて
あたしの答えを待つみさと先輩。
「え?いや別に・・・何も・・・」
ドキッとしながらもそう答えると
「あの小塚先輩に限って何もないなんて
そんなバカな事はないでしょ♪」
???
はてなマークだらけの顔をしたあたしに
「知らなかったの?
小塚先輩って手が早いので有名なんだから。」
そうなの?
そうだったの?
だったらあの早業も納得・・・・
「その顔はやっぱり何かあったでしょ?」
「なになに?
あかりちゃんが小塚の手に落ちたって?」
「うそ・・・マジで?」
近くで聞いていた先輩たちも
何か知らないうちに話に入ってきてるし・・・
しかもどんどん変な話になってるし。
「違いますよ!何にもないってば!
健全なデートです!」
真っ赤な顔して怒って言うあたしに
後ろから突然意外な言葉が飛んできた。
「そんなに怒ってるっていうことは
不健全なデートがしたかったってこと?
それならそう言ってくれたらよかったのに♪」
・・・・・・何をおっしゃるうさぎさん・・・
いや、小塚先輩・・・・
「ということで、部長、もう一回ご褒美くれよ。」
にこやかに言う小塚先輩に部長の信じられない一言。
「だったら、今日もロードワーク行くか♪
マネージャ―もいいよな。」
あたしに部長が言う。
「・・・出来れば勘弁してほしいです。」
あたしの答えに
「何言ってんの。
マネージャーってみんなのアイドルなんだぜ。
すんげーご褒美らしくって
やる気出るよな♪みんな!」
「おう!」
盛り上がるみんなにあたしは何も言えなくなった。
そんなもんなのか?
イケメンぞろいなのにマネージャーが少ないのは
オーディションもあったけど
こんなところにも原因があったのか・・・
「そんなんおかしいだろ!
嫌がってんじゃねーか!」
突然、つかつかと雄輔は部長の前に出ると
大声で言い放った。
「へぇ、雄輔、お前何カッコつけてんの?
それともマネージャーが好きとか?」
「そんなんじゃねーけど、
マネージャーは景品じゃねーだろ!」
「いいじゃねーか、みんな頑張んなら。」
「よくねーよ。」
睨みあう雄輔と部長。
嬉しいけど、そんなことして大丈夫?
先輩にこれから先、目つけられるよ?