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一斉にスタートを切った部員たちを見送り
あたしはとりあえずお茶の用意をして待つことにした。
落ち着かない・・・・・
誰が一番に帰ってくるのかな・・・・
普通に考えりゃ、3年が早いに決まってる。
となると・・・・・・
みさと先輩に聞いておけばよかった。
誰が早いのかって。
雄輔だって遅くはない。
いつもマラソン大会は入賞してた。
だから、応援してるよ・・・頑張れ!
5分たち
10分たち、15分が過ぎた。
運動場から通りを見降ろすと・・・・
あ、帰ってきたかも?
ユニフォームが同じだから
何だか見わけが付かないけど・・・・
ドキドキしながらスタートした地点に立つ。
帽子が見えてきた。
坂道を駆け上ってくるのは・・・・
んん・・・とピッチャーやってる小塚先輩?
あ・・・部長も来た。
6キロ走ってきた割には二人とも
すごいスパートでトップを競っている。
雄輔は?
あっという間にゴール目指して飛び込んできた二人。
勝者は、タッチの差で小塚先輩だった。