表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この先の結末  作者: みほ
26/84

26

マネージャーの仕事は


思ってたよりずっと地味で


本当に縁の下の力持ち的な存在だった。


ちょっとした繕い物、洗濯、お茶の準備、


後片付け、部室の掃除・・・・




みんなの練習を見てるだけじゃなくて


やることはたくさんあった。




「あ―――死にそうーーー!!!」


練習中に休憩の号令がかかると


一斉にお茶配り。




「うめーーー!」


ニッコリ笑顔でそういう反応されると


マネージャーとしては


「お代わりあるよ♪」


って、サービスしたくなる。




休憩時間はあたし達は大忙しで


終わったら片付けとお茶作り。


先輩マネージャーのみさと先輩は


笑顔の可愛い2年生。


みさと先輩と一緒にお茶を作りながら


ふーーっと一つため息をついた。




「どうした?疲れた?」


ニコッと笑ってみさと先輩が聞く。


「いいえ。そんなんじゃないんですけどね。」


「ん?もしかして気になる人でもいた?


うちの野球部、粒ぞろいだから♪」




そうなんです。


3年の部長をはじめとして


野球部はイケメンぞろい。


ドラマのイケメンパラダイスも真っ青ってか?


目の前でそんな彼らが


必死にボールを追っかけてるのを見ると


それが雄輔じゃなくても


キュンと胸が締め付けられそうになる。


メッチャ素敵なんだもん♪


一番素敵なのは雄輔だけど♪




思わず赤くなったあたしに


みさと先輩は明るく突っ込みを入れた。


「先輩の誰か?1年生から見ると


大人でしょ?思わずクラッと来るよね。」


「いや・・・そんなことは・・・・」


「んじゃ、え?1年なの?」


「え!あの・・・」




慌てたあたしに、


「あかりちゃん、かわいいねー。


んじゃ、来週までに誰か観察しとくわ♪


あ、部長はやめた方がいいよ♪


彼、女癖悪いから。


性格はいいんだけどね。」




・・・・・・・・・・・・・・・・




そうなの?


向井理によく似た部長に目をやる。


そういう人なんだ・・・・へぇ・・・・


重いやかんを運びながら


運動場を眺める。




「ほら、みんな練習終わったみたいよ。


部室ドア開けてくるね!」


カギを預かっているみさと先輩は


やかんをテーブルに置くと


さっさと次の仕事に取り掛かる。




みんなの着替えが終わったころ


部長にポンと肩を叩かれた。




「あかりちゃん、どう?もう慣れた?」


いきなりな部長の出現に


ちょっとびっくり。


「あ、はい!なんとか。」




ちょっと緊張して答えるあたしに


部長は柔らかい笑みを浮かべて言った。


「疲れない程度によろしくね。」




「はい。」


あたしの返事に満足そうにうなずくと


ポンポンとあたしの頭に手を置いて


「いい返事だ。じゃ、また明日。」


と、さわやかに去っていった。




大人だぁ・・・・・・・


今まで接したことのない大人な態度に


ちょっと放心状態のあたし。




「何ボケっとしてんの?帰んぞ。」


雄輔の声に慌てて鞄を持つ。


「待ってよぉ!」


あたしは慌てて雄輔を追いかけた。










評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ