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当然のことながら注目を集めるあたし達。
「おい!何やってる!」
先生が噂を聞きつけてやってきた。
泣き崩れてるあたしも
ちょっと冷静になってくる。
「雄輔!お前また何しでかした!」
先生の怒声に
「何もしてねーよ!」
と、むくれながら答える雄輔。
「大丈夫か?雄輔に何されたんだ?」
あたしを覗き込むようにして
尋ねる先生。
「だから何もしてねーっつってんだろ!」
「お前は黙ってろ!」
・・・・・・・・・・・・
泣いてる場合ではない・・・・
ややこしくなったら、うっとおしいし・・・
「雄輔が・・・・・」
泣きじゃくりながらも答える。
「ん?どうしたって?」
「助けてくれました。」
「はぁ?」
先生、悪いけど期待外れです。
問題児の雄輔だけどね。
「気をつけて帰れよ。」
「オレがちゃんと連れて帰る。」
「それが心配なんだよ。」
「うっせー。ほら、行くぞ。」
いつの間にかあちこちに人だかりができ
じっとこっちを注目してる。
その中を雄輔はためらいもせず
右手に鞄2個と
左手にあたしの手を掴んで
校門を出た。
バカたれ・・・・
どんだけ好きにさせんのよ。
手を引っ張られて歩きながら
あたしは胸の中でそっと呟いた。