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それはちょっとした出来心からだった。
「ふぁ~~~眠い・・・・」
ぱたっと倒れるようにしてひっくり返った雄輔。
ここは雄輔の部屋。
いつものようにあたし達は
部活のハードな練習を終えたのち
こうやって勉強していた。
宿題をやっていた雄輔は
大きなあくびと共に
「10分だけ寝かせて・・・zzz」
って、速攻寝てしまう。
無理もない。
朝から目いっぱい運動場を走り回っていたもん。
あたしは、雄輔の寝顔をじっと見つめた。
小さい頃から見慣れた顔だけど
やっぱりカッコいいよなぁ・・・・
・・・・・・・・・・・・
一瞬魔がさした。
大の字になっている雄輔の傍に
そっと寝転がってみた。
やん♪一緒に寝てるみたい♪
なんて一人くすっと笑ってしまう。
横から眺める景色ってまた違うのよね。
ちょっとしたいたずら気分も満足し
時計を見て雄輔に声をかける。
「雄輔・・・そろそろ起きない?
10分たったよ。」
腕を突っついてみたけど反応なし。
ボールを投げている腕は
同級生より筋肉もついて逞しい。
ちょっとだけ腕枕♪
なんて腕に頭を乗っけてみたら・・・・・
「んん・・・・・・」
って雄輔が寝返りを打った。
あたしの方に。
あたしは抱き枕のようにしっかり抱えられて
幸せそうな雄輔の寝顔を見る羽目になった。
・・・・・・・・・・・・・
おい・・・・・・・
これはちょっと・・・・・・
まずいんじゃないの・・・・?
ドキドキと照れくささと嬉しさの入り混じった
妙な感覚。
ああ・・あたしはやっぱり雄輔が好き♪