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この先の結末  作者: みほ
12/84

それからしばらくは何事もなく


平穏に過ぎ去っていった。




あたし達は相変わらず、


中学生活を満喫していたけど


2年生になったころから


進路が気になり始めた。




こう言っちゃなんだけど


あたし、学年トップクラス。


進学先は地元の進学校と決めている。


でも・・・


雄輔は、野球に明け暮れ


友達と遊びまくり


最近はというと、生徒指導の先生に


お世話になることも多くなってきた。




「こら!雄輔!お前またそのズボン!」


「うっせーな。このくらいいいだろ!」


「ちょっと職員室に来い!」




そうして渋々職員室へとついて行く雄輔。


授業時間も寝てることが多くなってきた。


野球部は毎朝朝錬を欠かさない。


7時には雄輔もグラウンドを走っていた。


そりゃくたびれもするか・・・




そんな雄輔の分もノートを取るのが


最近のあたしの日課になった。




こんな生活ももうすぐ終わっちゃうのかな・・・




いつも一緒にいた雄輔が


同じ学校にいないというのは


頭で理解してみてもきっと寂しいだろうと思う。




はぁ・・・


このままでいられたらいいのにな・・・






「ったく・・・高橋のヤツしつこいんだよ・・・」


規定通りのズボンに履き替えて


教室に戻ってきた雄輔は


生徒指導の先生にこってり絞られたみたい。


そりゃ仕方ないね。




最近の雄輔はちょっと近寄りがたい雰囲気を醸し出している。


相変わらずカッコいいと噂にはなるけど


正直怖くて告れない・・・と、もっぱらの噂。




あたしといるときは


小学生のころと何ら変わりないんだけどね・・・




「雄輔、ほれ、今日のノート。」


「サンキュ~♪」


「ちゃんと勉強しなよ。」


「なんで?オレ、勉強嫌いだし。」




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




あたしは知っている。


雄輔、ちゃんとやれば数学なんて


あたしより出来るようになることを。




本人の自覚はないけど。


なのに・・・悲しいなぁ・・・


高校だって雄輔と一緒に通えたら嬉しいと思ってるのは


あたしだけみたい・・・




「じゃ、もう、ノート見せない。」


「どうして?」




その問いに答えずにあたしは教室を出て行った。





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