⑪
ちょっと実験です。
アメブロからお越しの皆様、ありがとう♪
雄輔の笑顔は小さい時から見慣れてるけど
今日のはマズイ・・・
家に帰っても勉強どころか
何にも頭に入って来やしない・・・・
それどころか、
気付けば雄輔のことを考えてるあたしがいて
ぼんやりすることが増えた。
そして、今日は朝からなんだかおかしい。
まず、教科書がない。
あれ?忘れてきたっけ・・・?
筆箱の中に消しゴムもない。
・・・・・・?
だめだ・・・重症?
こんなことじゃあたしダメ!
頑張んなさいよ!あたし!
と叱咤激励しつつも、
あれ?
今度はノリもない・・・
体育の授業中、
少し気分が悪くなってきた。
あ・・・・もしかして・・・・・?
そろそろ予定の日だっけ・・・
体育の先生に気分が悪いことを伝え、
保健室に行かせてもらった。
そのついでに教室に寄って
鞄の中からアレ、取ってこよう・・・
中途半端な時間に誰もいない教室に戻るのって
初めて・・・
ガラッと、ドアを開けたら
誰もいないはずの教室に
しかもここは1年の教室なのに
3年生がいる。
野球部のマネージャーさん・・・・
おまけにあたしの席にいる・・・
その手にはあたしの筆箱があり、
お気に入りのシャープペンが握られていた。
その瞬間、あたしは悟った。
朝から、ボーーーっとしてたせいじゃなく
教科書も、消しゴムも、ノリも
次はシャープペンまで消えそうになっていた理由を。
「サイテー・・・
そんなことして恥ずかしくないんですか?」
ムカムカがひどくなってきた。
「あんたが悪いのよ。
せっかく仲良くなれたのに・・・・」
うなだれるマネージャー。
「卑怯者って、雄輔が一番嫌いなヤツですよ。
あたしは保健室に行きますから
ちゃんと返してくださいね。他の物も。」
そう言って教室を出る。
「雄輔に言うの?」
泣きそうな声が聞こえた。
「言われて困るようなことは
やめた方がいいと思います。」
それだけ答えると
あたしは、教室を後にした。