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アトツキさん

作者: 千田基生

どこにでもある、ある町の事故多発区域。

見通し悪いとか、車が多いとかあるよね。


地元の小学校、通学路となってるそこもわりと事故が頻繁に起きてて、親が言うには違う道が通学路に代わるとか。


その小学校に通う妹曰く、『アトツキさん』が通学路にいてついてくる。

アトツキさんは子どもで、たぶん女の子。でも男の子の時もあるらしい。

何するかっていうと、ついてくるだけ。

アトツキさんが現れるのは、そこで事故が起きる前日。例え死亡事故じゃなくても、行き帰り問わず来るとか。

家までついてきたって言うのは聞かない。

いつの間にか居なくなったとこで事故が発生する。



これを聞いた私は作り話だな、と直ぐに解った。子どもはよく怖い話にくっつけたがるから。噂として、一時的に盛り上がっているだけだろう。



「あのさぁ、同じクラスの〇〇ちゃんが今朝アトツキさんにあって話しかけたんだって。"どうしてついてくるの?"って。そしたらアトツキさん、何て言ったと思う?」


ニコニコ笑顔で帰ってきた妹が訊いてきた。まだ流行ってんのか、と正直呆れ気味に何て?って聞き返した。

妹は満足そうにこう言った。


「"おしえてあげる…。"って言って消えたの!」



翌日、その〇〇ちゃんは登校してこなかった。軽い事故に遭って、左足を骨折したそうだ。

〇〇ちゃんは車が迫ってくる瞬間にたくさんの子ども達の泣き声を聞いたらしい。




  か え し て





と叫ぶ、泣き声を。


死亡事故を起こした運転手は皆原因を、子どもたち絡みの供述をしたらしい。

『沢山の子どもがフロントガラスに張り付いてた。』


私の解釈では多分、アトツキさんは事故でなくなった子どもたちで、自動車を恨んで事故を起こしているのではないかと思う。

そんな真偽のわからない話に考察を入れるのもどうかと思うが、ニュースによると初めより事故の場所が学校の近くになっているそうだ。



私は別に信じてないけど、似たような事故の多発区域が移動するのも変な話だよね。



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