AOI 第94話
時計を見ると、9時になろうとしていた。バスに乗るまで、後1時間半だ。着ていく洋服は決めているから、余裕余裕。まずは、洗面台に行ってと、鏡を見ると、今日は髪の毛に寝癖がない、やったー。少し膨らんでいる感はあるけれど逆に内巻きブローをあてたように見える(自分だけには見える)太い直毛の私には自分ではつくれないふんわり感。昨日の夜の、寝相がよかったんだ。いつも、こうならいいのに。どんな寝方をしていたっけ。ベットに入った時の寝相の記憶をたどっていった。歯磨きも終えて、自分の部屋へ、行く前に居間にいる弟にドアを開けて、
「お姉ちゃん、支度してくるね。」
と、声をかけた。弟は、また、首までこたつに入って、首だけおこして、
「ふぁい。」
と、返事をした。こいつ、また寝ていたな。ドアを閉めて、階段を上る、上る時の足の軽い事。スキップのテンション。部屋に入って、急いで洋服を着替える。順調順調。10時半のバスは、余裕で乗れる。この前買った、リップをつけてと。うん。いいぞ。バックに持ち物入れて。よし、準備完了。まだ、早いけど、居間へ弟に会ってこよう。靴下を履いた足で階段を下りるとさっきの冷たかった指先が嘘のように暖かい。靴下は起きたら履いて、下におりてこようと思った。居間のドアを開けると、弟は、やっぱりそのまま寝ていて、ドアの音で起きたのか、寝ぼけているみたいに、
「あーお姉ちゃん、もう行くの?」
と、今度は首も上げずに話していた。私は、
「もう少ししたら行くよ。」
と、弟に言ったけど、返事がない。覗き込むと、目をつぶって本格的に寝ていた。時計を見ると、あと30分ある。眠いところ起こしちゃってもその後ゲーム三昧になるから、このまま寝かしておいて、出る時にもう一度、声をかければいいか。私は、バックから携帯を出して、バスの位置情報確認を調べた。13分遅れ、まぁ、雪道ですから、大丈夫。ただ、来てくれるだけでも感謝。助かる。時間の余裕がプラスしてできたから、少しホッとした。いちおう、のあちゃんにLINEしてと。外、寒いからあったかいココアでも飲んでいこう。ついでに、弟のも作ろう。電子レンジで牛乳を温めている間も弟を振り返って見ると爆睡している。これは、絶対起きないな。ココアの粉に温めた牛乳と砂糖を少し入れて溶かす、とけたら残りの牛乳に入れて混ぜて、出来上がり。あったまって、バスに乗ろうと。弟には、家を出る時、一応声はかけるけど、一筆書いておこう。ココアは冷めちゃうけどね。




